皆さんの会社のオフィス環境はどのようになっていますか? 働きやすい環境でしょうか?
もし、「今のオフィスは働きにくい...」と感じているのであれば、その原因はオフィスに文書や物が溢れていたり、片付いていなかったりすることに原因があるのかもしれません。
オフィス環境と情報管理のあり方は、生産性・効率性に直結します。そして、書類整理にはコツがあります。今回のセミナーでは、掃除と企業経営の関係についてユニークな研究されている日本大学経済学部の大森信教授に経営学の観点から、掃除や5S活動と文書管理が企業に及ぼす影響と、業務改革や経営改革につながることを解説していただきます。
講師の日本大学経済学部教授・大森信先生は、神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了、博士(経営学)。従来の経営学では対象とされてこなかった、掃除や整理整頓(5S)活動に注目し、日本企業における掃除の歴史的、理論的、実践的研究という大変ユニークな研究テーマをお持ちです。代表的なものとして、『掃除と経営』(光文社新書、2016年)ほか、多数のご研究があります。
当初は30名様限定での開催を予定しておりましたが、ご案内直後から多くの皆さまからのお申込をいただいたため、急きょ大きな会場へ変更することとなりました。当日は60名を超える多数の皆さまにお申込み、ご参加をいただき、ご関心の高さと熱意が感じられました。
大森先生によるご講演の内容を簡単にご紹介します。
さまざまな企業での実際の取り組み事例を挙げながら、以下の4つの観点からご講演をいただきました。
5Sとは、「整理」、「整頓」、「掃除」、「清潔」、「躾」 の5つを指します。
例えば、「整理」と「整頓」の違いについてなど、言葉の定義から細かくご説明いただきました。
整理: 要るものと要らないものを区別する
整頓: 要るものを使いやすいようにする
整理とは整頓の前段階の作業ですので、整理ができていないと整頓もできないことになります。整頓は、必要なものを使いやすいように配置することですから、これはそのまま業務改善や、ひいてはコストダウンにつながるというお話でした。
企業における掃除や5S活動について、事例紹介と理論とを交えながら解説いただきました。5Sの中でも特に、「整理整頓」に企業組織の性格が表れる、というお話が印象に残りました。掃除のやり方ひとつとってみても、その企業の仕事の進め方や社内風土など、働き方や経営者・社員の意識が色濃く反映されるのです。実際に、掃除をきちんと継続的に実施することで売上の向上を実感した、という調査結果もあるとのことでした。掃除や5Sの実践は、業務改善のみならず、社内改革や人材育成にもつながるのです。
日本の企業では昔から掃除や整理整頓が大切にされてきました。本田宗一郎、松下幸之助といった名経営者たちも、掃除にとてもこだわっていたそうです。戦後成長した企業の基礎には、掃除や5S活動があったのですね。
大森先生のご講演を受けて、「書類の管理から「働き方改革」を考える」というテーマで、当社における取り組みについてご紹介しました。当社、ワンビシアーカイブズは情報資産管理サービスを提供する企業として、オフィス環境の整備や書類やデータなどの情報資産管理に関する効率化の取組みを、自社内で継続的に実践しています。
当社では5Sの一環として、クリアデスク・クリアスクリーンを徹底しています。
機密情報を取り扱う企業ですので、自らが襟を正さなければお客様に質の高いサービスを提供することはできません。書類を机上に置いたまま帰ることなく、整理整頓を徹底することを目的に、個人の袖机(引き出し)を廃止しました。また、一部の部署ではフリーアドレスを導入し、「自分の座席」という指定もなく働ける環境が整っています。
当社が社員に支給しているPCは、内部に記録装置を持たないシンクライアントPCです。またUSB等の外部記録媒体の接続を禁止しているため、仮にPC本体を持ち出されたとしても、情報漏えいのリスクが最小化されます。これもクリアデスク・クリアスクリーンと同様に、お客様に安全・安心かつ質の高いサービスを提供するための施策です。
副次的な効果として、シンクライアントPCですので、「自分のPC」という取扱いになりません。そのためPCを持って移動することもなく、社員はどの座席でも、どの拠点でも同じように、場所を選ばず仕事をすることが可能になっています。
以前のセミナーでもご紹介しましたが、当社では契約書管理の運用について完全ペーパーレス化を進めています。契約書はすべて電子化して、システムで管理しています。他の書類も同様です。ペーパーレス化を進めなければ、クリアデスクやフリーアドレスの実現は難しかったかもしれません。
いかがでしたでしょうか? セミナー終了後にご記入いただいたアンケートでも、非常に好意的なコメントを多くいただきました。また、各企業様で日常的に感じておられる課題についても、うかがうことができました。
大森先生のご講演と、当社の取り組み事例、どちらにも共通して出てきた話題として、どうしても捨てられなかったり、電子化ができなかったりする紙の書類が一定量ある、ということです。書類の管理は、オフィスの環境整備にあたってたいへん重要な問題です。電子化できない書類の存在は、電子での運用フローと紙での運用フローが並立することになるため、二重管理による業務負担がかえって発生してしまうことになります。
このような問題が現実としては起こりえるため、「たまにしか見ない」「でも捨てられない...」という書類のために、当社では必要な時に必要な書類だけをPDFで利用する新しい書類保管サービスをお客様にご提案しています。
当社では今後も継続的に、さまざまなテーマでセミナーを開催して参りたいと考えております。書類保管や文書管理、電子化でお困りのこと、またこんなテーマでセミナーを開催してほしいなどのご要望がございましたら、お気軽にお問合せください。
執筆者名 ブログ担当者
株式会社NXワンビシアーカイブズ
ご不明な点やご要望などお気軽にご連絡ください。
ご不明な点やご要望などお気軽にご連絡ください。