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文書管理の必要性と成功のポイントを解説します

2020.07.28  株式会社ワンビシアーカイブズ

文書管理の必要性と成功のポイントを解説します

文書管理とは

文書を管理するとは、ステークホルダー(stakeholder, 利害関係者)に対して、業務活動の順法性、正当性等を説明できるように証拠(書類)を保存することです。「ファイリング」、「レコードマネジメント」(記録管理)という言葉も文書管理の意味で一般的に使われていますが、これは文書管理の歴史に由来しています。

20世紀初頭のアメリカの民間企業において、往復文書、注文書、出荷伝票等の書類を垂直(バーティカル)に立てて、地域、主題順等に配列する「バーティカルファイリング」(ファイリング)という管理方法が広まりました。このファイリングが民間企業に取り入れられた背景には第二次産業革命を迎えて重工業化が進み、経済活動の活性化により紙の書類量が増えたことが一つの要因でした。
また、この時期のアメリカでは、反トラスト、最低賃金、労働基準、社会保障、労使関係等に関する法律が成立して、民間企業は利用頻度が低下しても一定期間保存する必要がある文書が発生しました。さらに、二度の世界大戦により、軍組織内で大量の文書が発生したこともあり、文書を効率的に管理する考え方として、「レコードマネジメント」が生まれました。

個人の価値観や社会の多様化、民間企業、行政機関の複雑化がさらに進む現在にあっては、消費者、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、監督官庁等、様々な利害関係者に組織の活動を説明することが必要となっています。整理方法、管理方法の効率化という組織内部の事情から文書管理は始まりましたが、外部に対する説明責任を果たすことが現在、文書管理の目的になっています。

文書管理ができていないことのデメリット

この多様な利害関係者への説明は、十分な根拠に基づき、客観的に行う必要があります。その場で取り繕った説明を行ったり、回答文書を送付したりして、後日、その内容を訂正することになれば、利害関係者は不信感を抱きます。その不信感は風評として広がり、民間企業、行政機関等の組織への信頼性を損なう風評被害、いわゆるレピュテーションリスク(reputation risk)につながります。

例えば、食品を製造するメーカーでは、消費者が異物混入等製品の品質に疑惑を持った際、品質管理に関する文書を以て、製造・流通・消費の過程を追跡(トレーサビリティ【Traceability】)できなければ、消費者からの信頼を失い、企業の信用やブランド価値の低下につながります。企業にとっては資金を調達することは事業を展開する上で非常に重要ですが、決算をまとめた際の証拠(書類)がなければ、財務状況に疑念を抱かれて、資金を集めることが難しくなります。
あるいは、海外に進出する企業においては、言語や取引上の慣習の違いにより、契約交渉の中で誤解や認識違いが生じることは間々ある話です。言った・言わないの争いから訴訟に至ることも想定して、その間の電子メール等を少なくとも契約が締結するまでは残しておくべきです。

このように、文書管理ができていないと、組織のブランド、製品、サービスへの信頼性を失ったり、訴訟に敗訴して賠償金の支払うことになる等、甚大なダメージを受ける事態に見舞われるかもしれません。証拠(文書)に基づいて企業の諸活動を説明できることは、企業の権利を守ったり、その存続させるうえで必須であることは明らかです。

文書管理の具体的な方法

では、文書管理とはどのようなことを行えば、できていると言えるのでしょうか。それは、ルールと運用を整備することです。

ルールとは作成~保存~廃棄までの一連のプロセスを文書化(文書管理規程、保存規程等)することです。一連のプロセスとは、誰がいつ、何をするかを、権限の所在を含めて、設計することです。そして、文書の所在を住民票のように管理し、その移転、生き死を記録することも必要です。
例えば、取引先と裁判になり、裁判所からの文書開示請求に対して、該当する文書が存在しない場合に、この「住民票」がなければ、故意による廃棄と裁判官が判断するかもしれません。しかし、文書を住民票のように管理しておけば、その文書がいつ生まれ(作成)、いつ(廃棄)されたかを明らかにで、決められたルールに則って廃棄したことを証明できます。
もし、この「住民票」の信ぴょう性に疑惑が生じると、それに掲載されている文書すべての「生き死に」まで疑われます。つまり、文書管理は、文書そのものを保存(管理)するとともに、文書管理業務の記録する際にも、その真正性を損なわないことも重要となります。

そして、運用とは、ルールが定めたプロセスを具体的に手順として落とし込み、マニュアル等として文書化して、組織内で共有し、文書管理の実務を標準化することです。ルールを作ったものの、マニュアルがない場合、ルールと実際の運用でギャップが生じる恐れがあります。ルール(規程)と運用(マニュアル)はセットで策定することをお勧めします。

作成~保存~廃棄までのルール(規程)作りを行うために、法令によって定められた文書ごとの保存期間を把握しておく必要があります。弊社では文書管理のお役立ち資料として「主な文書保管期間一覧表」をご用意しておりますのでこちらをご活用ください。

会社で文書管理を浸透させる方法

とはいえ、民間企業の多くは文書管理の必要性は認めつつも、売上に直結しない文書管理業務に対して優先的にコストを投下しづらいのが実情です。法令等による各種規制が掛かる製薬業、金融業であれば文書管理にコストを投下することに社内の理解を得やすいですが、その他の業種では文書管理の業務量を肥大化することは避けたいでしょう。

文書管理を片付けや整理と捉えるのではなく、知的財産を含む情報管理、事務リスク管理といった業務効率化、品質改善の観点や直面する経営課題等と関連付けられると、より推進しやすくなります。例えば、最近では、新型コロナの非常事態宣言下、テレワークで対応できる業務範囲を広げるために、紙であるべきものを減らし、極力、電子で情報(文書)を保存する(PDF化する)というご要望が弊社に寄せられています。このように、文書管理を業務改善や直面する課題と結び付けることは、業務効率化の観点ともかかわり、社内の同意を得やすくなるとともに、社内全体に波及する効果を得ることができます。

また、文書管理が進む欧米では文書管理業務を集約処理するレコードセンターという部署を設けたり、文書管理のコアな部分の制度、運用設計をレコードマネージャーという専門家に委ねています。日本の企業、あるいは官公庁では人事制度上、専門職を採用することは少なく、しかも、レコードマネージャとなると恐らく、極々一部の企業のみと思われます。その他多くの企業は、弊社のような専門的な企業に、文書管理の実務をアウトソーシングしたり、文書管理の初期整備、運用設計をコンサルタントに依頼するケースが専らです。文書管理のコストを抑えられる点、最新の見地を取得できる点等から、文書管理を整備、浸透させる方法として、アウトソーシング等外部専門家の力を借りることは有効です。

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さいごに

ワンビシアーカイブズは、文書を情報資産と考え、50年以上前から文書管理に携わって参りました専門家集団です。契約文書のファイリングといった整理の工程から、自然災害等から守ることができる立地に大切な情報資産を保存期中お預かりし、その期限到来後、機密を抹消(廃棄)するまで、文書管理の一連のプロセスを受託しています。

また、文書をセキュアに管理する金融、製薬、官公庁といった分野のお客様からお取引いただいています。最近は紙から電子に情報媒体が変わっていますが、その流れに対応して、電子契約システム(WAN-Sign)デジタルアーカイブシステムといったソリューションも展開しています。

文書管理についてのお困りごとがありましたら、是非、ワンビシアーカイブズにお気軽にご相談ください。

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