デジタルアーカイブサービスとは、活用頻度の低いデータや保存が義務付けられているデータなど、日常的に使用しない大量のデータを適切に保管、保存するためのサービスです。
データを記録するメディアには磁気テープを採用することで、大容量データの安価な長期保存を実現しています。また、災害対策とセキュリティを備えたデータセンターで物理的に保管することで、BCPやセキュリティを重視されるお客様の要件にもお応えすることが可能です。そして、お客様はオンラインでデータをアップロード、検索、ダウンロードすることができるため、データを管理することが容易になっております。
では、このデジタルアーカイブサービスは、データ保管が必要なケースで具体的にどのように活用されているのでしょうか?今回はデジタルアーカイブサービスの利用シーンをまとめ、検討すべき理由について考えていきます。
取引先や親会社からの監査に対応するためにデータを保管したい
取引先や親会社からの監査対応には、最初に提出する資料やデータだけでなく追加で次々に求められるものもあるため、多くのデータが必要になります。そして、そのデータは日常的には使用しない、監査あるいはコンプライアンス対応のために保存しているものであり、また機密情報を多く含むため厳重な管理を求められることが一般的です。
こうしたデータを社内のファイルサーバーで保管することは、ストレージ容量を圧迫しパフォーマンスを低下させる原因にもなるため、適切ではありません。ファイルサーバーとは隔離された、長期保存に適した環境で管理する必要があるデータです。
また、場合によっては10年前、20年前のデータが必要となります。そのため定期的なメディアコンバートなどを施し、データが見読可能な状態を長期的に維持する必要があります。
監査やコンプライアンス対応のための大容量データ保管先に、社内ファイルサーバーではなくデジタルアーカイブを選択することで、コストを抑制しながら長期保存に適した環境でデータを保管することができます。災害対策やセキュリティを備えたデータセンターで保管するため、機密情報を含むデータの保管にも適しています。また、保管媒体である磁気テープの定期的なコンバートを標準サービスで実施するため、長期的に見読可能な状態を維持することができます。監査やコンプライアンス対応のためのデータ保管に最適な手段と言えます。
重要なデータを遠隔地保管したい
自然災害、サイバー攻撃、内部不正、人為的ミスなど企業の重要データが消失してしまうリスクは日常的に潜んでいます。
こうしたリスクを最小限に抑えデータを保護するためには、外部からのアクセスをできるだけ排除した形で、尚且つ自社から離れた場所で保管することが適切な対策となります。
近年ではクラウドストレージサービスのようにデータをクラウド上に保管するサービスがユーザに浸透しています。しかしクラウドサービスでは、その性質上外部からの攻撃やデータ消失の懸念があります。また、データセンターの環境によっては災害対策や物理的セキュリティも重要データ保管に適さないことがあります。
対してデジタルアーカイブサービスでは、重要データを磁気テープに記録して、災害対策とセキュリティを備えた都市部から離れているデータセンターで保管します。また、システムのセキュリティも整えております。このため保管した重要データの消失リスクを抑え、BCP(事業継続計画)の一環として活用することも可能です。
関連資料:
大量のデータを保管しつつ利便性は失いたくない
デジタルアーカイブでも記録メディアとして採用している磁気テープは、特に使用頻度の低い大容量データの安価なアーカイブに適しています。ただし、磁気テープに記録されたデータをシステムに戻して使用するには、そのためのリストア作業が必要です。また、テープを遠隔地保管している場合には搬送も必要となります。使用頻度が低くても重要なデータであれば、場合によっては迅速に使用可能にする必要が生じることがあるため、必要に際して迅速かつ容易に使用できる環境を整えることが求められます。
この点の解決策としても、デジタルアーカイブサービスが挙げられます。
デジタルアーカイブではお客様のデータを磁気テープに記録して遠隔地保管する一方で、お客様の環境からオンラインでアクセスできるシステムも備えております。お客様はデジタルアーカイブシステムにアクセスすることで、オンラインでデータをアップ/ダウンロードすることができます。アップロードしたデータは、デジタルアーカイブシステムで容易に検索することが可能です。また、大容量データのアップ/ダウンロードを速く行えるように、高速転送ツールを組み込んでおります。保管中のデータが必要になった際にも、容易に早く利用することが可能となっております。
デジタルアーカイブサービスで様々な経営課題を解決
いかがでしょうか?デジタルアーカイブサービスを活用することで、データ保管に関する様々な経営課題を解決することができ、適切なデータ管理を実現することができます。
近年見るデータ量の増大は企業規模を問わず発生している事象です。この傾向は今後も続き、それに伴いデータ保管に関連する経営課題もさらに深刻性を増していくでしょう。今回紹介した経営課題、あるいはその他データ保管に関する経営課題を解決するためにも、デジタルアーカイブサービスの利用をぜひご検討ください。
「データ保管方法として磁気テープによるアーカイブを考える」の記事でもご参考にしてください。