電子契約関連の法律まとめ | 株式会社ワンビシアーカイブズ

電子契約関連の法律まとめ

2017.10.24  株式会社ワンビシアーカイブズ

電子契約を利用するにあたって、重要な法令がいくつかあります。それは次の5つの法令がです。

  1. 電子帳簿保存法
  2. 電子署名法
  3. IT書面一括法
  4. e文書法
  5. 印紙税法

電子帳簿保存法と電子署名法に関しては、ビジネスパーソンなら誰もが聞いたことがあり、ある程度内容についても知っているかもしれません。しかし、その他の法令となると、聞いたこともなかったり、内容を知らないという方も多いでしょう。

例えばe文書法は、金融業界では60%以上の認知度があるにも関わらず、その他の業界の認知度は40%以下です。やはりこうした法令の認知度はあまり高くないと言えます。

引用:社団法人 日本画像情報マネジメント協会「日本版SOX法導入に伴う内部統制と文書の電子化に関する緊急アンケート調査

ちなみに電子契約とは、これまで紙文書によって取り交わしてきた契約業務や請負業務といった、書面でやり取りが重要な業務を電子データ化するためのシステムです。電子契約を利用することでコスト削減(印紙代、郵送代など)、業務効率アップ、契約業務などの迅速化、ペーパーレス化といったメリットがあります。

詳しくは、「電子契約とは?4つのメリットを解説」をご覧ください。

EDI(電子データ交換)との違いとしては、業界特有の通信規格を持たないため、あらゆる企業の契約業務にフィットするという点です。

この電子契約を導入する際は、今回紹介する法令が深く関わっているので、これを機に各法令への理解を深めていただければと思います。

1.電子帳簿保存法

正式名称を「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といいます。1998年7月に制定され、2005年3月と2015年9月30日に改正されています。この法令が定めていることは、次の2点です。

  1. 国税関係帳簿書類の電子保存を認めること
  2. 国税関係帳簿書類のスキャナによる電子保存を認めること

つまり、これまで紙文書でのみ保存を認められていた帳簿書類の、電子データでの保存を認めるというものです。しかし、すべての帳簿書類を電子データ化してもよい、というわけではありません。電子保存できる帳簿書類は決まっています。

≪電子保存できる主な帳簿書類≫

  • 帳簿...総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金・買掛金元帳、固定資産台帳、売上・仕入帳
  • 決算関係書類...棚卸表、貸借対照表、損益計算書、その他決算に関して作成した書類
  • その他の証憑類...契約書や領収書及その写し、見積書、請求書、注文書、契約の申込書、納品書、検収書

契約書に関していえば、電子保存可能な書類は3万円未満という金額規制がありました。しかし、2015年9月の法改正により、この金額規制が廃止されました。

関連資料:

2.電子署名法

電子署名法は正式名称を「電子署名及び認証業務に関する法律」といい、2001年4月に施行されました。紙文書の契約書や請負書などは、改ざんが難しいことや、押印や署名によって本人確認を容易にできるといった効果があったので、広く一般化されていました。

一方、情報化社会が進んだことで、電子データでの契約書などの作成・保存ニーズが高まりました。しかし、電子データ化された契約書などは改ざんが容易であり、かつ本人確認に必要な押印や署名ができないことから、電子データ化できない企業が多く存在していたのです。

こうした事情を背景に、電子データでの契約書などでも、改ざんを難しくし、かつ本人確認を容易にするための方基盤と情報基盤を整えたのが電子署名法です。

電子署名を契約書などに記す際は、個人的な電子署名の他に、タイムスタンプと電子証明書というものが必要です。

まずタイムスタンプとは、時間の改ざんを防ぐために記す電子署名です。電子データ化された契約書などには「いつ作成されたか」という情報が記録されますが、あくまで端末の時刻を反映しただけなので、改ざんが容易です。そうした改ざんを防ぐために、書面にタイムスタンプを押すことで、時間の改ざんがないことを証明します。また、記された時間に、実際にその書面が存在したことをも証明できます

電子証明書とは、国が認定する認証局によって発行される「この法人・個人は本当に存在し、電子証明は本物ですよ」と証明するための電子データ化された証明書です。誰もが好き好きに電子署名を行えるほうでは、改ざんや偽装などが容易になります。しかし、認証局からの電子証明書があれば、本人確認を容易に行えるということです。

電子署名法」についてはこちらもご参考にしてください。

3.IT書面一括法

正式名称を「書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律」といい、紙文書での交付が義務付けられていた文書を、メールやWebでの交付を認めるという法令です。

電子帳簿保存法と混同されがちなので違いを簡単に説明すると、IT書面一括法はあくまで「電子書面でのメール・Web交付を認める」という法令であることです。特定の文書を定める法律ではなく、法改正のための法令と言っていいでしょう。

電子契約法とは 電子契約法とは
電子署名法と電子契約 電子署名法と電子契約

4.e文書法

e文書法は正式名称を「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」といい、2005年4月に制定されました。この法令は、これまで紙文書による保存を要件としてきたものを、電子データによる保存を認めるというものです。

概要としては電子帳簿保存法にかなり類似しています。その違いはまず、電子帳簿保存法は、「国税に関する法令」に対し、電子データでの保存を認めるという法令です。一方e文書法は、多数ある法令に対し、一括で電子データでの保存を認める法令です。

これにより、各法令の改正を行う必要がありません。

5.印紙税法

印紙税法が制定されたのは1899年と古く、以降1967年に全部改正がされています。その概要は、一定金額以上の取引や領収証に対し、「印紙税」という税金を課するものです。ビジネスパーソンであれば、領収書や契約書などに、収入印紙を貼りつけた経験が誰もがあるかと思います。

収入印紙を貼り付けることで、印紙税を収めましたよという証明になります。

では、なぜ領収書や契約書などには印紙税を支払わなければならないのでしょうか?この問いに関しては、2005年当時の内閣総理大臣である小泉純一郎氏が、第162国会での質問に対する答弁書で次のように記載しています。

 「印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税である――」

引用:平成十七年三月十五日. 内閣総理大臣 小泉純 一 郎. 参議院議員櫻井充君提出印紙税に関する質問に対し、 別紙答弁書を送付する。

これはつまり、領収書や契約書がその効力を発揮するのは、法律による規定があるためであり、それを保証している国に対して税金を払ってください、というものです。ただし、領収書や契約書が電子データ化されたものなら、印紙税は必要ありません。

このように、電子契約に関する法令は多く、電子契約を利用するにあたって理解を深めておくことが重要です。

 株式会社ワンビシアーカイブズでは、多様化する契約のカタチに即し、電子契約だけではなく従来の紙の契約書管理にも対応した電子契約サービス「WAN-Sign」の提供を開始いたしました。紙の契約と電子契約の一元管理を実現したいというお客様から早速多数のお問い合わせ、お申し込みをいただいております。この機会にぜひご検討ください。

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