重要データの長期保存 数十年先にデジタルデータを残すために

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ワンビシ デジタル戦略部です。企業のデータ管理において顕在化する課題の一つに、データ保存期間の長期化が挙げられます。求められるデータの保存期間は数年、十年、場合によっては数十年に及ぶこともあります。長期間データを保存するためには、注意しなければいけないことが多くあります。そこで今回は、数年、数十年に及ぶデータ保存において、想定されるリスクと対策について紹介いたします。

 

データが消える、使えなくなる様々な理由

デジタルデータは大量の情報でも便利に記録や利用ができます。紙文書であれば膨大な枚数になるような情報でも、デジタルデータ化すればメディア1本、小さなメモリ1本に収めることも可能です。しかし紙文書の場合、丸ごと燃える、沈む、流される、誤って廃棄してしまうなどの事態を除けば、情報全体が失われることはありません。小さな破損や穴が開くようなことがあっても、残りの無事な部分に記録された情報は読むことができます。

デジタルデータの場合は、アクシデントによってデータが突然、全て消えてしまうことがあります。また、記録メディアに生じた小さな破損、部分的な劣化や損傷などによって、データ全体の何割か、あるいは全てが読めなくなってしまうことがあります。そのため、デジタルデータの保存、特に保存期間が長期的になる場合には、データの見読性を維持するために様々なことに注意しなければなりません。

まずはデジタルデータが消える、使えなくなる代表的な理由を紹介いたします。

システム障害

システム障害によるデータ全消失事例は複数あります。大手クラウドサービスのデータ消失事例などが代表的です。テープに記録していたバックアップデータを用いて数日かけて復旧できた事例もありますが、データ消失がバックアップデータにも反映されてしまい、復旧不可となってしまった事例もあります。

メディア故障、破損による障害

メディアにデータを記録し、システムから切り離して保管することは、データを安全に長期保存するために有効な手段となります。しかし、メーカー公表のスペックでは寿命が十年以上となっているメディアでも、保管環境によっては数年も経たずに故障してしまうことがあります。

光ディスクは記録面の劣化や汚れ、損傷によって読めなくなることがあります。また、長期保存に優れるとされている磁気テープでも、保管環境の温度や湿度によっては固着や劣化が生じて読めなくなることがあります。HDD(ハードディスクドライブ)の場合、長期間通電しないことにより故障することがあります。他にも落下や衝突などの衝撃、高温環境での連続使用など、様々な要因でメディアは故障する可能性があります。

メディアが無事でも読取機器やソフトウェアがなくなる

メディアに記録されたデータを使用するためには、メディアに対応する読取機器(ドライブ)と、ファイル形式に対応するソフトウェアが必要です。ドライブとソフトウェアがなければ、メディアが無事でもデータを読むことができません。

メディアに記録されたデータが必要になったとき、メディアにデータを記録した際のドライブとソフトウェアが稼働できる状態で残っていれば問題はありません。しかしデータの保存期間が長期に及ぶ場合、データが必要になったときに対応できるドライブやソフトウェアが故障とメーカーのサポート終了、除却、廃棄などの理由で失われている可能性があります。一般的に流通している、あるいは流通していたドライブやソフトウェアであれば、数年間であれば同じものや互換性のあるものを調達することが不可能ではないと考えられます。

しかしメディアにデータを記録してから十年、数十年が経過していた場合、対応可能なドライブ、ソフトウェアを調達することが困難となっている可能性があります。また、調達可能であったとしても、古いメディアのデータを使用するために旧式のドライブやソフトウェアを、費用をかけて用意することの是非が問題となるケースもあります。

デジタルデータを長期保存するための方法

これまでご紹介したように、デジタルデータは様々な要因で読めなくなることがあります。ここからは、デジタルデータをより安全に、より長期間保存するために取り得る手段、方法についてご紹介します。

システムから切り離した環境での保管

先述の通り、システム障害による大規模データ消失は最も警戒すべき驚異の一つです。システムから切り離した環境での保管が、特にアーカイブデータの場合は安全な長期保存のために有効です。

保存に適した環境での保管

高温下での連続使用や大きな温度変化、高い湿度などはメディアの故障原因となります。一定範囲の常温、常湿に保たれた環境が、データの長期保存には必要です。また、機密性の確保や衝撃から守るための保護なども必要です。

適切な間隔でのメディアコンバート

保存環境によるものの、メディアはいずれ故障して読めなくなります。また、メディアが無事でもドライブやソフトウェアの喪失によっても、読めなくなる可能性があります。古いメディアに記録されたデータを新しい世代のメディアに移すコンバートは、データを十年、数十年保存するための有効な手段です。

メディアやドライブの世代交代スピードにもよりますが、数年ごとにデータを新しいメディアにコンバートすれば、メディア故障だけでなく、対応可能なドライブやソフトウェアが失われることによる見読性の喪失にも備えることができると考えられます。

ワンビシのデータ保管サービス

ワンビシでは様々なデータ保管サービスのラインナップを用意しています。HDDや磁気テープを保管するサービスでは、保管庫だけでなく搬送車両コンテナ内にも空調装置を備え、メディアの保存に適した環境を維持することで、重要なデータが記録されたメディアを故障や劣化から守っています。

旧世代のテープに記録されたデータを新世代のテープにコンバート

データやメディアを保管するだけではなく、テープコンバートのサービスも提供しています。ワンビシは2016年に優れたテクノロジーを持つ米国企業「Kroll Ontrack」と業務提携を開始しました。Kroll Ontrackとの業務提携によって、様々なテープ、様々なバックアップソフトに対応することが可能となり、古いテープの管理にお困りのお客様のニーズに応えております。

データが読めなくなったときのためのデータ復旧サービス

メディアに記録されたデータが読めなくなってしまった、というご相談もいただいています。ワンビシでは、磁気テープやHDDに記録されたデータが読めなくなりお困りのお客様を支援するために、データ復旧サービスも提供しています。

データの長期保存 まずはワンビシにご相談ください

データを長期保存するためには、様々なリスク要因を排除するための環境整備と継続的処置が必要です。ワンビシは様々なサービスラインナップで、お客様のデータ保存を支援することができます。重要なデータを数年、数十年先に問題なく残せるか不安を感じるようであれば、ぜひワンビシにご相談ください。

次回はメジャーとなったデータ管理の手段であるクラウドについて、重要データの管理や保管をテーマとして考察を行いますので、よろしくお願いいたします。

執筆者名プロフィール

執筆者名 ブログ担当者

株式会社NXワンビシアーカイブズ 

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