製薬会社に見るデータ長期保存の課題と対策 | 株式会社ワンビシアーカイブズ

製薬会社に見るデータ長期保存の課題と対策

2019.10.23  株式会社ワンビシアーカイブズ

どのような業種・業態の企業でも抱えているデータ量は右肩上がりに増加しているのではないでしょうか。これは今後も変わることがないはずです。抱えているデータの中でも、特に「活用頻度は少ないものの捨てられないデータ」いわゆる「アーカイブデータ」というのが増えているのが一因だと考えられます。

今回は製造業、中でも製薬会社の特に研究所や工場で発生する電子データの長期保存にスポットを当て、直面している(または今後するであろう)課題とその解決策についてご紹介いたします。

研究所で発生するデータとは

よく聞くのは研究の過程で発生する画像データ。例えば顕微鏡で撮影する画像は1回で数百~数千枚発生すると言われています。直近で使うのは選別された数枚ですが、残りの画像についても今後使うかもしれないので念のため取っておく(保存しておく)ことが多いようです。

次に聞くのは分析装置を使って作成されるデータ。分析データと言われることが多く、品質管理上重要なデータにあたります。これは分析装置から出力されたものをPCのHDDに保存しています。

保管期間については各社様々ですが特許関連のデータともなると30年間以上の保存が必要となる場合があります。

いずれのデータも長期間の保存が必要で、見る頻度は極端に少ないものの消すことはできないデータの代表例です。

関連資料:

長期保存に必要なこと(理想)

では、どのように長期保存すればいいのでしょうか。

ワンビシでは以下に挙げる7つの要件をお客様に提言させていただいております。

①機密性:権限がある者以外がアクセスできないようセキュリティを確保すること

②完全性:データが原本の状態から改変されないようにすること

③見読性:データが読み取れる状態を維持すること

④検索性:データが必要になったとき容易に探せるようにすること

⑤可用性:データを破損や消失から守ること

⑥運用性:データ管理の各種運用を効率的にすること

⑦経済性:コストを抑えること

これらを満たすことで安全かつ効率的に長期保存ができますが実際のところはどうでしょうか。

重要データの長期保存とデジタルアーカイブ 数十年先にデータを残すために 重要データの長期保存とデジタルアーカイブ 数十年先にデータを残すために
書類の処分まで考えた保存をしていますか? 書類の処分まで考えた保存をしていますか?

長期保存の実際(現実)

先に挙げた研究所で発生するデータは本社IT部門が用意しているファイルサーバには保存せず、各研究室、各部門単位で管理していることが多いようです。具体的には外付けHDDや各自のPC内で保存したり、LTOやDVDといった記録メディアに書き込んでキャビネット内に保管したり、サーバを立てて保存したり、手法は様々ですが研究所内で独自に管理されている傾向があります。

しかし、外付けHDDやPC内で保存している場合、「はたして30年もの間保存できるのか。必要な時にきちんとデータを取り出せるのか」といった漠然とした課題を各担当者は持たれるようです。

HDDは持って5年。PCも然り。しかも実は見る頻度は年に一回あるかどうか。にもかかわらず製薬会社のデータだと命に関わる問題でもあり、消失する、取り出せなくなることは決して許されません。

また研究や分析に使われたデータが担当者/担当部門の一存で書き換えられ(改ざんされ)たりしたら信用問題にもなりかねません。

記録メディアで保管している場合でも媒体の劣化という課題は残ります。媒体がLTOやDVDの場合、完全性(真正性)を備えた保存は比較的容易ですが、見読性を維持するために大よそ10年を目途にコンバージョンしないと、媒体そのものの品質劣化や、ドライブとの規格の不整合により読めなくなってしまう恐れがあります。しかしながら10年ごとに担当者がコンバージョンするとなると本数、枚数によりますがそれなりの工数がかかります。また前担当者が後任に引継を忘れたということはよくある話です。

サーバやNASで管理しているといった場合も5年を目途にハードウェアのリプレースが必要なのではないでしょうか。次の5年間のデータの増え方を見越してのサイジングをしたうえでIT部門への購買申請等。本当はそれらの作業をIT部門にお願いしたいのに「リソースが足りない」などと言われ、挙句の果てに申請時に「本当にそこまで必要なの?」等社内の承認を取るのに苦労が絶えません。

分析データに至っては更に厄介な課題があります。多くのケースでは分析データは当時の専用の閲覧システム(アプリケーション)がないと再生することができません。アプリケーションなので当然使用するPCのOSの対応問題が将来発生するはずで、このことのためだけに未だにWindows XPのPCを保有している企業も珍しくありません。30年保管とした場合、果たして30年後にWindows XPのPCが動くのか?不安と一緒にPCを保有し続けています。

このようなリスクを抱えながら自前で管理。増え続けていく長期保存データを只々黙って見ているといった状態かもしれません。

研究所の担当者はITが専業ではありません。通常業務の傍らでシステムの面倒を見ている企業が多いと聞きます。できれば本来の研究や品質管理等の仕事をしたいと皆さん思っているはずです。

まとめ

製薬会社では、研究や分析、特許関連データ長期保存の方法に多くの企業は少なからず課題を持っています。今回は製薬会社のお客様でよくある話をご紹介しましたが、当然このような課題は他の業種・業態のお客様にも当てはまるのではないでしょうか。

ワンビシではデータの長期保存を支援するためのサービス(デジタルアーカイブ長期アーカイブソリューション等)をご用意しています。

データ量の増大に対する効率的な管理というのはきっと避けては通れない課題かと考えますので、そのようなお悩みがあれば是非ご相談ください。

また、製薬会社様向けにはデジタルデータの長期保存だけではなく、厳格な管理が求められるGxP関連資料や生体試料等の保存についても様々なサービスをご提供していますのでご興味があればサービス紹介ページも是非ご覧ください。

デジタルアーカイブサービス

RECENT POST「文書管理・記録管理」


RELATED POST関連記事


製薬会社に見るデータ長期保存の課題と対策