記録メディアの寿命は夏に縮む?メディア故障対策と対処法を紹介

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 尋常ならざる暑さが続いておりますが、ご体調を崩されてはいないでしょうか。みなさまのご体調も心配ですが、これだけ暑いと大事なデータが記録されているメディアの故障、リードエラーの発生も懸念されます。

 夏季はデータ復旧業者への相談件数が、他の季節に比べて顕著に増える傾向があるようです。そこで今回は、みなさまの大事なデータが記録されたメディアの故障防止方法と、故障してしまったときの対処法について紹介いたします。

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データ復旧の相談は夏に増える?

 夏季はデータ復旧業者への相談件数が、年間平均と比較して1.5倍~2倍に増えると言われています。そもそもなぜ夏にメディアの故障が多く発生するのでしょうか。考えられる原因として、湿度が高くなること、高温になること、空調などで温度差が大きくなりやすいこと、日光の紫外線が強くなることが挙げられます。

 湿度が高い状況で大きな温度変化が起きると、結露が生じやすくなります。メディアの記録面に結露が生じると腐食や、磁気テープであれば固着、カビなどの原因になります。ハードディスクのように機械が組み込まれているメディアだと、ショートの発生も懸念されます。

 いくら気温と湿度が高くなってもメディアが故障したり腐食するほどベチャベチャに結露するものなのか、と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。確かにみなさまが働かれているときのオフィスは空調が効いていて、そこまで悪い環境ではないかもしれません。しかしメディアが保管されているキャビネットや倉庫はどうでしょう。空調がない上に換気も悪く、結露やカビの温床になってはいないでしょうか。また、オフィスであっても夜間は空調を止める所が多いはずです。夜の間に高温高湿になったオフィスが、朝、始業の際に空調が起動し気温が急激に低下すると見えないところに結露が生じやすくなります。

 そして、温度と湿度が高くなると腐食や素材の劣化が早く進行します。社団法人電子情報技術産業委員会(JEITA)が行ったテープメディアの寿命推定実験では、気温55℃、湿度80%の環境下で160日間テープを保存することで、テープを気温25℃の環境で約19年間保存したのと同じ状態を作っています。高温多湿環境はメディアの寿命を何分の1にも縮めてしまうのです。

 また、窓から差し込んでくる日光の紫外線は、特に光ディスクの記録面を変質・変色させる原因となります。机の上やガラス戸の棚など、光を浴びる場所で保管されている光ディスクにも注意が必要です。

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メディア故障の防止策とは

 高温高湿によって生じるメディア故障は、どのように防止すればいいのでしょうか。まずは故障の原因を取り除くことが必要です。具体的には、大事なデータが記録されているメディアであれば普通のキャビネットや倉庫ではなく、メディアの保存に適した環境が維持されている倉庫で保管すべきです。メディア保存に適した環境は、温度は20℃前後、湿度は50%前後に維持することがひとつの目安となります。機密性と空調を備える保管庫で管理することで、メディアの故障確率を大きく減らすことができるでしょう。

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ワンビシアーカイブズ情報管理センター メディア保管庫

 もう1つの対策は定期的にメディアのコンバートを行い、故障が起きる前にデータを新しいメディアに移してしまうことです。メディア保存に適した環境で保管されているとしても、HDDのように長期保存には向かないメディアであれば1~2年以内、磁気テープのように長期保存に適するメディアでも5~10年に1度はコンバートを行うべきです。HDDから磁気テープのように、保存に優れるメディアへのコンバートも効果的です。

 以上のように地道な対策を適切に行うことが、メディア故障の防止策になります。

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メディアからデータが読めなくなったら?

 予防策を実施していても、メディアの故障確率は0%にはなりません。保管庫で何年も保存している間に故障してしまったり、メディアを使用するとき床に落とす、飲み物がかかるなどのアクシデントが発生することもあります。メディアが故障してしまったとき、どのように対処すればいいのでしょうか。

 慌てて自分で対処せず、専門の知識と技術を有する復旧業者に相談されることをお勧めいたします。自分で対処して直ることも勿論ありますが、間違った対処をしてしまうと傷を拡げて業者でも復旧できない状態になる危険があります。故障の程度にもよりますが、技術を有する業者であればメディアの記録面にデータが残っていれば復旧できる可能性があります。メディアからデータが読めなくなってしまっても慌てずに、まずは専門家に相談しましょう。

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まとめ

 今回は危険な暑さが続いている中、記録メディアが故障する原因と予防策、故障してしまったときの対処について紹介いたしました。東京における7月の平年並み最高・最低気温は、それぞれ29~30℃、21~22℃となっていますが、2018年7月(1日~24日)の平均最高・最低気温は33℃、25℃となっています。密閉された倉庫やキャビネットは、もっと高温になっているかもしれません。例年以上にメディアの故障が心配される夏といえるでしょう。

 ワンビシアーカイブズは空調保管庫でお客様のメディアをお預かりするオフラインメディア保管サービスを提供するとともに、データ復旧の技術を有するAOSリーガルテックと提携し、データ復旧のご相談も承っています。メディアの保存環境や故障に不安があれば、是非お問い合わせください。

執筆者名プロフィール

執筆者名 ブログ担当者

株式会社NXワンビシアーカイブズ 

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