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オンラインストレージの容量無制限が終わるとき

2018.08.06  株式会社ワンビシアーカイブズ

 データが増大を続ける今の時代、ストレージコストの抑制は企業・団体にとって取り組むべき課題になっています。解決策として注目されているのが、クラウドのオンラインストレージサービスです。企業が利用するクラウドの用途として、ファイル保管・データ共有は電子メールに次いで多くなっている(総務省 平成29年版情報通信白書http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc262140.html)ことからも、多くの企業・団体がクラウドにストレージとしての機能を期待していることがわかります。

 オンラインストレージサービスの中には、定額でデータ容量無制限のものがあります。データが増え続ける中、定額でデータ容量無制限のサービスはストレージコストの抑制に効果的と思われるかもしれません。しかし過去には容量無制限を止めて従量課金制への転換、あるいはサービス自体を終了せざるを得なかったオンラインストレージが複数あります。容量無制限を理由に、特に大容量データをオンラインストレージで保存することはリスクがあると考えられます。

 そこで今回は、容量無制限のオンラインストレージが無制限を終了した事例をピックアップして紹介いたします。

オンラインストレージ容量無制限終了事例

Amazon Drive (Amazon Web Service)

2016年7月に容量無制限のUnlimitedストレージを日本で開始したが、2017年11月に容量無制限サービスの提供終了を発表。13,800円/年の料金で容量無制限だったが、容量無制限サービス終了後は13,800円/年で利用できるのは1TBまで。容量を増やすためには1TBあたり13,800円/年の追加が必要となり、上限は30TBまでとなった。容量無制限サービスのユーザは新しいプランを選択して契約しなければ自動的に1TB分のサービスへ移行となり、もし1TBを超えるデータをアップロードして保存していた場合には、1TBに収まるまで古いファイルから自動削除となった。

OneDrive (Microsoft)

2014年10月、Office365の契約者に提供するOneDriveの容量を無制限にしたが、一部のユーザが想定外の大容量データをアップロードしたことでストレージ容量が消費されてしまい、2015年11月に容量無制限を終了し上限を1TBとすることが発表された。1TBを超過するデータへアクセスができるのは12カ月間とされた。

Evernote (Evernote)

2015年4月、Evernoteの有料プランである「プレミアム」で1ヵ月にアップロードできるデータ容量を無制限にしたものの、大量のファイルを投入するユーザが増えたことを受けて、2015年8月に月間アップロード容量上限を10GBに変更。容量無制限を理由にEvernote利用を開始したユーザに対しては、残契約期間分の利用料金を返金する対応がとられた。

Bitcasa (Bitcasa)

2011年にスタートしたBitcasaは、2013年2月に容量無制限プランをスタート。しかし2014年11月に容量無制限プランは終了し、1TBあるいは10TBのプランへの選択と乗り換えが必要となった。2016年4月にはサービス自体の終了が発表され、アップロードしているデータを1カ月で削除するため、必要なデータはそれまでにダウンロードするようユーザに通知が送られた。

SafeSync (トレンドマイクロ)

2010年12月に容量無制限サービスを開始したが、2011年3月にユーザ数とアップロードされるデータ量が想定を大きく上回ったことを理由に、容量無制限サービスの販売を終了。既存ユーザに対しては契約期間中は無制限サービスを提供するが、契約更新に際しては新たなサービスへの移行が必要となる対応がとられた。

関連資料:

容量無制限が終わるとき

 上記でピックアップした事例に共通する事項として、まず、容量無制限が数カ月~1年数カ月しかもたずに終了していることが挙げられます。ちなみに本記事にオンラインストレージ事業者を批判する意図は全くありません。上記でピックアップしているのは、いずれも多くのユーザに支持されている(いた)素晴らしい有力事業者ばかりです。非常に大規模なクラウドリソースを有しているはずですが、それでも容量無制限プランは長く続けられないのです。データが際限なく増えている今の時代、オンラインストレージの容量無制限プランには無理があると言えるでしょう。

 そしてもう1つ挙げられる事項として、容量無制限プランが終了した後、猶予期間はあるもののデータのダウンロード(回収)や別プランへの移行を迫られることです。このような事態において、時間をかけてでもデータをダウンロードするか、追加料金を払ってもサービスを利用し続けるか、データをあきらめるかの選択が必要になることは、クラウドでデータを保存する上で考慮すべきリスクと言えます。 

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まとめ

 今回はオンラインストレージの容量無制限が終了した事例を紹介しました。大規模事業者が提供する容量無制限サービスであっても長くは続けられなかったことから、企業・団体で同種のサービスや極端に安価なオンラインストレージサービスを利用する際は、十分にリスクマネジメントを検討する必要があると考えられます。ほとんど使用しないが保存はしておかなければならないようなデータは、メディアでの保管やデジタルアーカイブなどもリスクマネジメント施策になります。サービス紹介ページもぜひご覧ください。

※本記事で紹介している企業名、サービス名は各社の登録商標です。また、2018年8月時点の弊社調査に基づく情報となります。

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