領収書の保管期間って?法人・個人事業主の期間と保管方法も解説

  • 請求書の保管期間

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仕事に必要なものを購入し、経費として計上したいときは領収書が必要ということは、広く知られています。
法人でも個人事業主でも領収書の金額を元に経費を計算し、確定申告などを行います。

しかし、経費として計上した費用の領収書の保管期間がどのくらいなのかは意外と知られていません。個人事業主でもあやふやな方もいるでしょう。
領収書の保管期間は法律で定められています。保管期間前に領収書を処分すると税務署から指摘が入ることもあるでしょう。

この記事では、領収書の保管期間について詳しく解説します。

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そもそも領収書とは

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領収書とは、代金を受領した者が代金を支払った者に発行する受取証明です。
領収書を持って「代金が確かに支払われたこと」と「代金を確かに受け取ったこと」が証明されます。
確定申告の際に経費として「何に」「どのくらいの金額」を証明するために添付するのです。

領収書というと金額が書いてあれば大丈夫というイメージを持つ人もいますが、正しく領収書と認められるためには、以下の項目が正確に記入されている必要があります。

  • 日付   :和暦・西暦のどちらでも可。ただし、「R 3年」「22年」などの記入省略は不可
  • あて名  :氏名や企業名を正確に記入。小売店や飲食店に限り「上様」などの省略可能
  • 但し書き :「飲食代」「書籍代」など費用が何に使われたかを記入
  • 金額   :税込みで記入し、頭に「¥」「金」もしくは末尾に「也」「-」をつける
  • 収入印紙 :
    売上金が5万円以上の場合、領収書には売上金に応じて収入印紙の貼り付けが必要
    例)5万円以上100万円以下は200円、100万円超で200万円以下は400円など、これ以上も金額に応じて、印紙の金額も変わります
  • 発行者住所氏名:店舗や企業の名前、住所、電話番号

なお、かつてレシートは領収書の代わりにはならないとされていましたが、現在のレシートは店舗名・時刻・品名・金額などが正確に記載されているものがほとんどです。
そのため、現在はレシートでも領収書として認められます。

ただし、会社によってはレシートを領収書として認められないという規則を設けているところもあるので、確認をしておくことも大切です。

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領収書の保管期間とは?

では、領収書の保管期間はどのくらいなのでしょうか?以下に、法人と個人事業主の形態ごとに分けて解説していきます。

保管期間は法律で決められている

領収書の保管期間は、法律で定められています。ですから、個人の判断で勝手に処分してはいけません。
法人は「法人税法」、個人事業主は「所得税法」という法律によって定められています。

なお、領収書の保管は自分で行います。確定申告のときに書類に添付する必要はありません。
ただし、税務調査が入った場合に提出を求められることもあるので、年度ごとに保管しておくのがおすすめです。

なお、保管期間のスタートは、領収書が発行された日時ではありません。
領収書が発行された年度の確定申告が終了した翌日からです。
たとえば、2019年に発行された領収書は、2020年2月より始まる2019年度の確定申告を申告した次の日から保管期間がスタートします。

保管しないと追徴課税を支払うことに

領収書がきちんと保管されていないと、確定申告が正しく行われたことを証明できません。
ですから、税務調査の結果次第では追徴課税の支払いを求められる可能性があります。

追徴課税とは、過去に支払った税金が実際よりも少なかった場合や、申告が漏れていた場合に課せられる税金の総称です。
無申告加算税・重加算税・重加算税・不納付加算税などの種類があり、税率は最大で40%にもなります。
領収書がきちんと保管されていないだけで、本来ならば払わなくてよい税金を支払わなければならない可能性があるのです。

確定申告の計算の際に用いた領収書は必ずなくさないようにしておきましょう。

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領収書の保管期間は?(法人)

ここでは、法人が領収書を保管する期間について解説します。どのくらいの期間保管しておけばいいのでしょうか?

帳簿書類は7年保管

法人における「領収書」は、法人税法で「帳簿書類」に分類されています。帳簿書類の保管期間は7年です。

2004年まで、法人税法では大法人と中小法人という区分があり、大法人では7年間、中小法人では5年間と保管期間に差がありました。
しかし、2004年に法改正が行われた結果、法人は規模にかかわらず領収書の保管期間は7年となったので注意しましょう。

どんな少額の領収書もなくさないようにしてください。

決算が赤字なら10年保管

法人の場合、決算が赤字の場合は「欠損金の繰越控除」を受けられます。

この「欠損金の繰越控除」の期間はかつて7年まででしたが、2008年4月1日以降は9年間、2019年4月1日以降は10年間に延長されました。領収書もその期間保管しておく必要があります。

また、会社法という法律で、「会計帳簿及びその事業に関する重要な資料」と「計算書類及びその附属明細書」の書類保管期間は10年と定められています。
領収書を会計帳簿に関する重要な資料とみなすこともできるので、法人では念のため領収書は10年保管しておくと安心です。
従業員の数が多く、事業規模が大きいほど領収書の数は多くなる傾向があります。保管方法を工夫することが大切です

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領収書の保管期間は?(個人事業主)

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個人事業主の場合、青色申告か白色申告かで保管期間が異なります。
青色申告の場合は法人と同じく7年、白色申告の場合は5年です。

なお、2014年まで白色申告している事業主のうち事業所得300万円以下ならば、領収書の保管が義務づけられていませんでした。
しかし、2014年の法改正でこれが撤廃されたので、白色申告を行う事業所得300万円以下の個人事業主もしっかりと領収書を保管しておきましょう。

また、仕入れ税額控除を行っている業者は、白色・青色問わず領収書の保管期限は7年と定められています。
ですから、個人事業者の場合でも万が一を考えて白色申告する人も、青色申告する人も7年間領収書を保管しておけば安心です。

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領収書の保管方法を紹介

領収書は法人で10年、個人事業主では7年保管しておけば確実であることがわかりました。
では、領収書はどのように保管しておけばいいのでしょうか?以下に、保管方法を紹介します。
保管方法に悩んでいる人は、参考にしてください。

紙で発行してある領収書の保管

小売店や飲食店で領収書をもらう場合、多くが「紙」の領収書を渡されます。
紙で保管する方法とは、この状態のまま保管する方法です。

多くの法人や個人事業主が行ってきた方法で手軽に行えます。領収書はクリアファイルなどに入れておき、年度ごとに保管しておきましょう。
なお、レシートは感熱紙が多いので直射日光に当てたり濡れた手で触ったりすると文字が消えてしまいます。
封筒など光を通さないものに入れて湿度の低い場所で保管しましょう。

なお、保管期限が過ぎた領収書は早めに処分することが大切です。
保管期限が過ぎた領収書をいつまでも保管しておくと保管スペースを圧迫します。
領収書の量が膨大な場合、紙で保管するのは大変という法人もあるでしょう。この場合、領収書をスキャンしたりスマホで撮影したりしたデータを「原本」として保管しておく方法があります。

ただし、単純に紙の領収書をスキャナなどで取り込んで電子データで保管するだけではいけません。電子帳簿保存法という法律で指定してある条件に従う必要があります。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法(2022年1月改正)とは、請求書や領収書などの国税関係帳簿書類を電子データとして保存することを認めた法律のことです。
これら、会計帳簿などの国税関係帳簿書類の保管は、紙での保存が基本であったため、書類の管理に手間やコストがかかっていた状況を、紙での保存による企業の手間や負担を軽減し、業務の効率化やコストの削減を目的として施行された法律です。

また、従来は、電子データで領収書を保管するには、事前に税務署に届けることが必要でしたが、2022年1月1日より改正になる電子帳簿保存法(電帳法)により届出は不要になりました。
ほかにも以前まであった条件を緩和され、電子データ保管への移行が今までよりもしやすくなったと言えるでしょう。

電子データで発行された領収書の保管

電子で発行された領収書を、紙に印刷して保管をする従来の方法があります。
電子データで発行された領収書とは、メールに添付されたPDFの領収書などのことを示します。

しかしこの方法を取ると、領収書の物理的な紙の量は増え、ペーパーレス化を進めることに逆行します。しかも、2022年1月1日改正の電子帳簿保存法により、この保管方法は認められなくなりました。(*)
改正以前よりも、手続きが簡素化されたこともあります。

(*) 2021年12月に、2022年の税制改正の2年間(2024年まで)までは紙での保管も猶予されることが決まりました。

電子帳簿保存法の変更点

・2022年1月1日より施行される電子帳簿保存法改訂後の主な条件変更点

  1. 税務署に届けることが必要だったのが、不要になる。
  2. 受領者等がスキャナで読み取る際に行う国税関係書類への自署 が必要だったのが不要となる。
  3. 電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができ、訂正や削除ができないシステムを使って電磁的な記録を保管し、その入力期間内に記録事項を入力したことを確認することができる場合はタイムスタンプの代わりにすることができる。
    (以前は文書にタイムスタンプの付与が条件の一つでした。)

電子データで受領した領収書を紙に印刷して保管している法人や個人事業主の方は法改正の際に注意しましょう。

(参考)国税庁「電子帳簿保存法一問一答」

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領収書の保管なら「書類保管サービス」にお任せ

今回は、領収書の保管期間について法人と個人事業主ごとに解説しました。
領収書は、確定申告の正当性を証明するためにも、法律で定められた期間は保管しておかなければなりません。
しかし、電子化できない領収書を多量に、しかも最長10年という長きにわたり保管しておくのは大変という企業も多いことでしょう。

そこでおすすめなのが、ワンビシアーカイブズの書類保管サービスです。
領収書をはじめとする各種の保存文書などを文書箱単位でお預かりし、必要なときにお届けします。また、個人情報記載の契約申込書やカルテとセキュリティが必要とされる書類は、1枚・1ファイル単位で保存することも可能です。
こちらも、必要なときに必要な書類だけ取り出してお届けするサービスです。紙の領収証が大量にある場合は、ご相談ください。

※ 本資料は2021年11月時点の公開情報を元に作成しています。記載の内容は弊社見解であり、今後当局の方針により解釈が変更となる可能性がございます。正式な見解は、所管の国税、税務署にご確認ください。

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