長期保存されているマイクロフィルムのこれからを考える

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 マイクロフィルムという記録媒体を御存じでしょうか。書類や図面を微小サイズに縮小してフィルムに記録したものであり、日本では1958年から富士フイルムが製造しています。書類や図面をそのまま保存するよりも大幅に省スペース化できるだけでなく、長期保存に適していて記録の法的証拠能力も認められていることから、多くの企業・団体が記録媒体として用いてきました。

 しかし近年では、文書・画像管理システムの普及やe-文書法の施行などを背景としてデジタル化が進んでおり、マイクロフィルムは記録媒体としてのシェアを減らしています。とはいえまだ多くの企業で、マイクロフィルムは大量に保存されています。マイクロフィルムに記録されているデータも、長期保存を前提とした重要なものでしょう。これから先の管理に課題を抱えられている企業も多いはずです。

 そこで今回は、長期保存媒体としてのマイクロフィルムを紹介するとともに、これから先どのように管理することが適当であるかを解説します。

マイクロフィルムとは?

 マイクロフィルムとは先述の通り、書類や図面を形はそのままで微小サイズに縮小し、フィルムに記録したアナログ媒体です。リーダを用いて拡大して表示するか、紙あるいはデジタルデータに変換を行って読み取ります。以前は省スペース化や情報の法的証拠能力確保、高速入力など様々なメリットがあったマイクロフィルムですが、現在ではデジタルデータあるいはメディアに多くのメリットを譲るか追いつかれている状況です。

 現在でもマイクロフィルム固有のメリットとして挙げられるのが、100年単位の長期保存に耐えることと、可視情報をそのまま記録するので見読性の維持が期待できることです。

 マイクロフィルムは期待寿命500年とも言われています。現時点で長期保存に優れるとされている、磁気テープや長期保存用光ディスクなどのアーカイブ用メディアと比べても長期間の保存に耐えます。

 そしてデジタルデータとして記録する場合、読取には対応するソフトウェアが必要であり、長期的な見読性の維持には定期的なコンバートが必要不可欠です。しかし、マイクロフィルムの場合は可視情報をそのまま縮小して記録するため、もし将来マイクロフィルムリーダが全く手に入らなくなっても拡大さえできれば読み取ることができます。また、今後規格の大幅な見直しが行われる可能性も低いと考えられます。50年後、100年後にマイクロフィルムリーダが製造・流通しているかはわかりませんが、もし流通していればそのリーダで、現時点で存在するマイクロフィルムを恐らく読み取ることができるでしょう。見読性の維持という観点でも、優れた媒体であるといえます。

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マイクロフィルム管理のこれから

 しかし現状ではデータの保存方法はデジタルに移行しており、マイクロフィルムが用いられることも減少しています。マイクロフィルムのリーダやスキャナはまだ問題なく手に入りますが、マイクロフィルムライターは製造されなくなってきています。これから先、新しいデータをマイクロフィルムに記録するケースは減っていくと考えられます。

 これから先のマイクロフィルム管理で主な課題となるのは、現在保管しているマイクロフィルムに記録されているデータをどのように扱っていくかです。大別して2つの選択肢が考えられます。1つはマイクロフィルムに記録されているデータを全てスキャンし、電子データに移行する方法です。もう1つは、データはマイクロフィルムのままで保管を続けて、その管理運用を効率化していく方法です。

 マイクロフィルムのデータを全てスキャンして電子データに移行すると、保管スペースやコストの省略、データを検索して取り出す過程の効率化というメリットがある一方、移行するためのコストが、特にマイクロフィルムが大量にある場合には高くなります。また、マイクロフィルムに記録されているデータは長期保存を前提としています。電子データに移行する場合、記録メディアやデータフォーマットの互換性について注意すべきでしょう。

 データをマイクロフィルムのままで保管する場合、保管スペースやマイクロフィルムリーダをどのように管理し続けるか、という問題があります。解決策となるのが、マイクロフィルムの保管からマイクロフィルムリーダの管理まで、すべてアウトソーシングできる外部サービスの利用です。外部倉庫に移すことにより保管スペースを省略できます。また、マイクロフィルムの読取~出力までセットになっているサービスを利用すれば、マイクロフィルムリーダを数十年にわたって自前で管理する必要もなくなります。特にマイクロフィルムが大量にあって、これから先も長期間保存し続ける必要があるケースで、有効な方法と言えるでしょう。

まとめ

 今回は長期保存媒体として用いられてきたマイクロフィルムと、これから先のマイクロフィルムの管理方法について紹介いたしました。ワンビシアーカイブズではマイクロフィルムの保管サービスも提供しております。大量のマイクロフィルムを管理されていて、管理方法の見直しをお考えであればお役に立てるものと考えております。ぜひお問い合わせください。

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