株式会社FUNDINNO 様
導入事例

API連携を活用して自社が提供するプラットフォームを完全電子化へ。厳格な本人認証が必要な書類も電子締結を実現

企業概要

金融商品取扱業務
本社:東京都品川区東五反田5丁目25番18号
設立: 2015年11月26日
URL:https://corp.fundinno.com/

要約
  • 紙の契約締結を無くすことで、自社が提供するサービスのプラットフォームを完全な電子運用へ
  • 営業外契約も紙から電子に移行し、目的別に使い分けることで多面的なペーパーレス化を実現

事業内容

2015年11月設立の株式会社日本クラウドキャピタル(現:株式会社FUNDINNO)様は、金融庁から日本初の第一種少額電子募集取扱業者として、2016年10月に登録承認を受け、2017年4月から株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO」を提供している。サービス開始から3年5ヶ月となる2020年8月末時点で、累計成約額が約35.5億円、累計成約件数が109案件、登録ユーザー数は3.5万人を超えた。

創業期のベンチャー企業から老舗、農業からAIに至る多様な業種で支持されており、起業家の年齢も20代から幅広い年代にわたる。「フェアに挑戦できる未来を創る」をビジョンに掲げ、投資家とスタートアップ企業の懸け橋として事業展開を加速している。
未来あるベンチャー企業の事業成長、その一端を担うという新しい投資体験を与えることが「FUNDINNO」の目指す価値である。

導入前の契約業務

株式投資型クラウドファンディングサービスにおける投資家と事業者の間で必要な手続きを迅速化するため、改善策を模索していた日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)は、株の購入にあたり投資家と事業者が交わす「投資契約書」等の締結を電子的に移行することで、事務負担を軽減できると考えた。
具体的には、投資家から受けた申込みに対し、「FUNDINNO」を利用する事業者から送信した紙の契約書に投資家が記入・返送した書類を受領した事業者が手続きに入る、という業務の合理化である。

クラウド上で画期的なサービスを提供するために行う最初のステップが、複数の営業日にわたって互いに書類を送り合うという現状を打開したかった。クイックスタートを切る上で課題解決の突破口となったのがNXワンビシアーカイブズの電子契約サービス「WAN-Sign」である。

WAN-Signの利用方法

クラウドファンディングサービス「FUNDINNO」自社システムとのAPI連携

元々、「FUNDINNO」は、事業者がクラウド上で自社発行の株式を募集にかけると、投資家がウェブから申し込み、株式を購入することができるウェブ完結の仕組みを整えている。通常の手続きであれば、紙の契約書は不要な手続きフローである。
しかし、案件の中には、事業者が独自の「投資契約書」を使って、投資家と別途契約を締結することが必要なものもある。「FUNDINNO」では、資金調達するベンチャー企業の「エンジェル税制」適用の認定業務を、各都道府県に代わって行えるが、フォーマットはあらかじめ定められており、事業者と投資家の間で投資契約を結ぶことになる。その際に紙で契約を取り交わすという、アナログ対応を無くしたいと考えていた。
株式の募集をウェブ上で実施すると、多数の申込みを受け付けられるのが特長である反面、事業者が投資家と1件ずつ紙で契約締結するのは煩雑だった。また、契約管理という点でも、紙の契約書作成フローは、記載内容に関して見落としを防ぐためのチェックに際し、現物を確認するか、都度PDF化して閲覧するか、という手間がかかり負荷が大きい。

日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)では「FUNDINNO」への申込みのタイミングで、投資家は株主になることができる。投資家は、申込み段階でエンジェル税制の適用可否が画面上に表示されて分かるため、紙の書類を用いたアナログ対応を介在させず、電子的に「FUNDINNO」プラットフォーム上で手続きを完結できることが大切である。API連携により、電子契約サービス「WAN-Sign」でエンジェル税制のための投資契約等を締結できる。また、「募集に関する契約書」など重要な契約書類については、厳格な本人認証が可能な電子証明書を用いた「実印版」を利用できることが極めて重要だと判断した。

電子契約&書面契約の自社利用

既存の取引先と日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)の間で締結する契約についても、「WAN-Sign」を使用することで、徐々に電子への切り替えを進めている。「FUNDINNO」を使用して株主を募集する事業者と日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)の間で締結する際も、電子契約の方が紙より便利である。
例えば、締結頻度の高い「秘密保持契約書」や「業務委託契約書」、厳格な本人認証が必要な証券会社特有の「募集に関する契約書」、そして「雇用契約書」も徐々に電子契約に移行中である。これまで印紙を貼付していた契約書類も、電子であれば印紙代を負担しなくて済むため、コスト削減効果も見込める。

これまでに締結してきた紙の契約書は大量で、それらも「WAN-Sign」で一つの台帳で管理できる点も嬉しい。まさに、「紙と電子の一元管理」である。便利な使い方としては、契約満了期限が近づいたら管理部門等の担当部署にアラートを発信できる機能の活用だ。年間利用契約の場合、自動更新される契約もあり、更新時期を的確に把握できないと、もう1年分の費用負担が生じるリスクもある。「WAN-Sign」に、対象の利用規約などを取り込んでおくことで、不要な契約更新を未然に防いでいきたい。

選んだ理由

電子契約の選定にあたり重視したのは、1)書面契約・文書管理機能と、2)内部統制機能が充実していることである。両方の条件をパッケージで提供している「WAN-Sign」は、契約書管理システムとしても利用することができる。これまで企業間取引時に締結してきた紙の契約書も一元的に台帳登録しつつ、これからは紙を発生させず電子的に締結する際のPDFを原本として管理できるメリットは大きかった。

さらに、「WAN-Sign」は、API連携による拡張性に優れている点も魅力である。日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)は、自社の「FUNDINNO」システム内に、NXワンビシアーカイブズの電子契約サービス「WAN-Sign」を組み込み、投資家が申込みボタンを押すだけで、登録情報を元にした契約書が生成され、メールで署名依頼が送信される手続きフローを構築した。

電子契約サービス「WAN-Sign」のAPI連携を用いれば、「FUNDINNO」を完全に電子的なプラットフォームとして提供できる。投資家と事業者の間で契約締結する際には、日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)が当事者として介在しないことが求められているが、この前提を踏まえたプラットフォームの構築が他社の電子契約サービスによるAPIでは仕様上実現できなかった。

もう一点、充実した機能に対して月額費用も抑えられ、コストパフォーマンスが良かった点を挙げておきたい。「WAN-Sign」では、様々なオプション機能が追加費用を負担することなく利用できるのも軽視できないメリットで、導入に際して高く評価した。
内部統制機能について、今後徐々に社内利用を広げていく予定である。電子契約の利用を浸透させながら、タイミングを見計らって全社運用を進めていきたい。

導入プロセス

元々は、別の電子契約サービスを利用していたが、同等の費用で紙の管理も一緒に行うことができ、「WAN-Sign」のAPI連携が自社ニーズと合致したことから、NXワンビシアーカイブズの電子契約サービスに切り替えた。
まず無料版に申し込み、しばらく試用した後、自社でAPI連携の開発を始めた。今後、事業者と投資家で活用していただくにあたり準備を進めている。「FUNDINNO」プラットフォーム上で電子契約の締結まで完了することができ、その過程で外部サイトに移動しないで済むと、利用者も安心して手続きを行える。

利用後の感想、印象、これからの活用予定

日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)と事業者の間で締結する「募集に関する契約書」は、これまで紙で取り交わしてきた。付帯する条項も紙の契約書にする場合、数種類の書類を郵送する必要があり、自社だけでなく、事業者にも負荷がかかっていた。郵送の手間、費用、印紙代、それらの費用に加え、事業者の工数も減らすことができる。
日本クラウドキャピタル(現:FUNDINNO)は、金融庁に登録された金融機関として、「募集に関する契約書」は、紙で受領した場合、PDFとして保存する場所があり、管理が煩雑だった。電子的に結べば、重要書類の電子保存にかかる作業が不要になる。そのため、電子契約の推進は、先々の期待値も高く、様々な場面でコスト削減が期待できる。

今後のNXワンビシアーカイブズに期待すること

業界や契約種類ごとの活用事例を少しずつパッケージ化しておくのが良いと思う。利用パターンごとに特徴をまとめ、オプション機能として整備すれば、API開発の費用や工数まで削減できる。
また、他社の電子契約サービスを用いた締結依頼を受け取ることも増えてきているため、その際に締結した契約ファイルの原本を「WAN-Sign」の台帳に取り込みやすい配慮を期待する。別々の電子契約プラットフォーム同士で連携できる機会を増やすのが望ましい。

※ご注意:本お客様ご利用事例は、投資勧誘を目的として作成されたものではありません

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