
データ量の増加とデータ保存期間の長期化が同時進行している昨今、企業が保有する重要データの長期保存ニーズに応えるために、アーカイブサービスに類するサービスが各事業者から提供されるようになっています。各社が提供するサービスの特徴は様々ですが、重要データを確実かつ効率的に長期保存できるアーカイブサービスを選ぶためには、各サービスのポイントとユーザの環境およびニーズを把握した上で、適切な比較検討を行う必要があります。とはいえ、基本的にはどの事業者も自社サービスのいいところを強調するので、精緻な比較検討を行うにはやや困難が伴うという実情もあります。
そこで今回は、アーカイブサービスの種類を大まかに分類した上で、それぞれのポイントを解説いたします。
ユーザが保有しているアーカイブデータを記録したメディア、HDDや磁気テープなどを預かって、サービス事業者が管理するデータセンターや倉庫で保管するタイプのアーカイブサービスです。運用がシンプルであり、データセンターや倉庫の災害対策やセキュリティが整っているのであれば、データが被災・流出する可能性を低くすることができます。ユーザとサービス事業者間のデータのやりとりがメディアで行われるので、送受データが大容量の場合も問題ありません。また、事業者がアーカイブサービス提供を終了しても、保管されているメディアが無事であればアーカイブデータを全て回収することが容易に可能です。
一方で管理単位がメディアとなるため、どのメディアに何のデータが記録されているかはユーザ側で管理する必要があります。データ消失の可能性を低減するための副メディア作成による冗長化や、メディア劣化等に備えたコンバート等もユーザ側で行わなければなりません。ユーザとサービス事業者間のメディア搬送におけるセキュリティを確保する必要があれば、サービス事業者側に搬送体制がなければ、ユーザ側で搬送手段を手配しなければなりません。
サービス形態がシンプルである代わりに、データを安全かつ確実に長期保存するためにユーザ側でも補足をする必要があるのが、メディア保管型アーカイブサービスといえます。
Webインターフェースを用いて、サービス事業者が用意するストレージにアーカイブデータをオンラインでアップロード、必要があれば検索してダウンロードできるタイプのアーカイブサービスです。基本的に簡単に使用できることに加えて、大容量データでなければスピーディに送受が可能であることが、メディア保管型より優れているポイントです。ストレージやメディアの管理運用をアウトソーシングできるメリットに加えて、最低利用料金も比較的安価な傾向にあります。
一方でデータセンターのスペックや所在地域が非公開であることが多く、サービス利用に際してカントリーリスクや被災リスクを許容せざるを得なくなるケースもあります。回線のスペックにもよりますが、大容量データのアップロードやダウンロードには長時間を要する弱点もあります。事業者がサービス提供を終了することになった場合、保管しているアーカイブデータの回収が困難となる可能性もあります。最低利用料金が安価であっても、データのダウンロードは有料で大容量データを扱うと高額料金が発生するというケースもあります。
便利に利用できる反面、サービス形態によっては重要データの長期保存において許容されるべきでないリスクを伴うため、特にユーザ企業が保有するアーカイブデータを全て預けてしまうことは不適当と考えられます。ただし、メディア保管など他のデータアーカイブ手段と組み合わせて冗長化・リスク分散の目的で用いるには効果的なのが、オンラインストレージ型のアーカイブサービスです。
今回はアーカイブサービス利用を検討されている方に向けて、アーカイブサービスを、シンプルな運用が可能なメディア保管型サービス、便利に使えるオンラインストレージ型サービスに分けて、特徴を紹介しました。より詳しい情報を記載した資料がダウンロード可能となっています。ご興味があれば是非ダウンロードをお願いします。
執筆者名 ブログ担当者
株式会社NXワンビシアーカイブズ
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