
日本通運株式会社 IT推進部RPAプロジェクト 様
- 要約
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AI-OCRを用いて帳票のアナログ情報を効率よくデジタル情報に変換することで、RPAプロジェクトの領域を大幅に拡大
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定型化した業務をさらにグループ会社を有効活用することにより、経営基盤の安定化に貢献
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業務生産性向上により創出された時間を営業活動、マーケティング活動、企画業務、分析業務などのコア業務に集中
業務内容
日本通運株式会社様は、1937年の創立以来、日本国内から、世界へと広範なネットワークを築き上げてきたグローバル物流企業である。「私たちの使命 それは社会発展の原動力であること、私たちの挑戦 それは物流から新たな価値を創ること、私たちの誇り それは信頼される存在であること」をグループ企業理念として、物流事業を展開している。
物流事業で日々膨大に発生する手書き作業日報の処理業務に着目し、RPAで取り扱える業務を拡大するために、AI-OCRの導入を検討。
RPAを推進するうえで、AI-OCRの付帯業務(帳票設定や読取結果の補正作業等)を、BPO実績の豊富な日本通運の100%子会社であるNXワンビシアーカイブズをパートナーとして、同社が提供するサービス「AI-OCR×BPO」の導入を決定した。

「AI-OCR×BPO」導入の背景
2018年3月から、IT中期経営計画で事務業務にかかる時間を削減するためのRPAプロジェクトに取り組んでおり、業務手順を標準化、フォーマット・運用ルールの整備、各部署へのロボット導入を推進し、事務効率化に取り組んでいる。
RPAプロジェクトに取り組む背景と目的
- 経営基盤の安定化を図る
- 慢性的な労働力不足の解消
- 若手社員の離職・転職、役職定年の延長などによる労働力の高年齢化への対応
- 同一労働同一賃金の対応に伴うコスト増への対応
- 業務生産性向上
- 定型的な作業をロボットに実行させることによって創出された時間を、営業活動、マーケティング活動、企画業務、分析業務などの本来時間を割くべき業務に充てる
RPAプロジェクトを拡大・推進する中で、RPAに取り込めない帳票のアナログ情報の存在が問題視され、解決する必要に迫られていた。

作業日報読取業務への「AI-OCR×BPO」を導入した理由
手書き帳票をRPAへ取り込むため、帳票のアナログ情報をデジタル情報として抽出するAI-OCR導入の検討を開始。手始めに、日々の業務で膨大に発生する手書き帳票である作業日報をターゲットとしてアウトソーシング先の比較検討を行うこととした。
作業日報は、大量に集まった帳票を各拠点の担当者がその内容を日々手入力し、目視確認を行っていたため、作業日報を処理するために多くの社内リソースが割かれていることが課題であった。帳票複数企業のサービスを比較した結果、NXワンビシアーカイブズをパートナーとして選択した。

NXワンビシアーカイブズを選んだ理由
- 半世紀以上にわたってデータ・ソリューション事業を専門に取り扱っており、官公庁や金融機関をはじめ多数の企業にBPO業務を提供している実績がある。
- BPO業務で得たノウハウをもとに社内運用の見直し提案並びに帳票フォーマットの改定をすることで、AI-OCRの読取精度の大幅向上につながった。(読取率:85%→98%)
- きめ細やかなアフターフォローや、標準化に繋がる改善提案が期待できる。
- グループ企業であるため、新しい技術の導入や検証にワンチームで取り組み、更なるシナジー効果を見込める。

導入後の社内の効果・感想
「AI-OCR×BPO」を導入することで、今までRPAで取り扱うことができなかった帳票のアナログ情報をデジタル情報として取り扱うことができるようになった。
それにより、今まで課題となっていた作業日報の入力業務に関するフローを自動化することができ、RPAプロジェクトで扱える業務範囲を大きく拡大することができた。また、複数の作業員が半日~1日かけていた作業日報の入力業務をNXワンビシアーカイブズにアウトソースすることで、各支店では複合機でスキャンするだけの単純業務となり、大幅な効率化につなげることができた。
AI-OCRは高い読取率を誇るものの100%になることはないため、NXワンビシアーカイブズで精査・修正まで行ってもらえる点は非常にありがたい。日々の業務のきめ細やかなアフターフォローや、標準化に繋がる改善提案も高く評価している。
作業日報は全体のごく一部であり、アナログ情報であるがゆえに自動化できていない業務が多数存在しているため、これらにも「AI-OCR×BPO」を横展開し、RPAプロジェクトの領域を拡大していきたい。豊富なBPO業務経験を持ち、今回の業務でワンチームとなったNXワンビシアーカイブズの提案に期待している。
