紙文書の劣化と適切な保存環境について

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次の世代に伝えるべき資料とは

日々の業務にて取り扱う情報は、その多くが保存年限の定められたものです。一方、その定めがなく長期に保存される情報があります。それらは会社として大切なものと位置付けられ、保存されているものです。例えばヒット商品やロングセラー商品の開発資料。社会に影響を与えた大プロジェクトの資料(群)など、誰もが次の世代に残して伝えたいと思うことが記録されている資料です。東日本大震災では被災した資料を対象に、乾燥や洗浄といったレスキュー活動が行われています。 これらの活動が示すことは、資料が記録する情報を失わないようにすることです。ここでは日常の取組として、主な素材である紙に注目し、保存の基本である温湿度と劣化についてお話します。

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紙資料の劣化とは

まず、劣化とはどのような事柄を指すのでしょうか。例えば紙の変色や文字が薄くなって、記されている内容が読めなくなることが挙げられます。古い新聞紙の色が茶色に変色したり、感熱紙のFAXやレシートの文字が消えたりすることはご経験があることと思います。 このように、情報を記録する媒体の物質的な劣化は避けられません。情報を失わないためには、劣化しにくい環境での保存を基本として、複製の作成、別媒体への複写といった対策が採られています。

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紙資料の保存環境とは

一般的に紙の保存には温度20℃前後・湿度60%前後が好ましく、このような環境が保たれていて、数十年から数百年の寿命が得られると言われています。一方、紙の劣化試験の結果によると、表1のとおり、温度の上昇により寿命が短くなることがわかります。また表2のとおり、高湿度(80%)に比べ、低湿度(40%)の方が寿命の長くなる傾向があります。 このように、資料が保存されている場所の温度と湿度により、紙の寿命は大きく変わってきます。

劣化試験結果(温度)
劣化試験結果(温度)

劣化試験結果(湿度)
劣化試験結果(湿度)

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実際の文書保存箱の中は

最後に、みなさまの文書保存箱の中は何が収められていらっしゃいますか。箱の中は紙、写真やフィルム、テープ、CDなど、色々な種類の媒体が一緒になって保存されていらっしゃいませんか。媒体によって、より低い温度やより低い湿度が保存環境として、適当とされているものもあります。 将来、まだ見ぬ後輩達が文書保存箱を開け、資料を業務へ活かしている姿は想像できますでしょうか。外部施設での書類保管サービスを利用して、温湿度管理が整った環境で資料を長期保存する方法もございます。ぜひ一度、資料の保存環境を振返っていただき、ご質問やご相談などございましたら、お気軽に当社へご相談ください。

【参照文献】
尾関昌幸ほか(1985):紙の劣化速度に関する検討,紙パ技協誌,39(2),pp.233-242
国立国会図書館訳(2003): IFLA図書館資料の予防的保存対策の原則,「資料を保存するために」

※本コラムの内容は、2012年2月現在のものです。

執筆者名プロフィール

執筆者名 経営企画部

株式会社NXワンビシアーカイブズ 

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