当社は、『企業の情報資産管理に関する実態調査2011』を実施し、このたび報告書としてとりまとめましたので、その要約を公表いたします。本調査は、2008年8月の実施以来3年ぶりの調査として、特に本年3月に発生した東日本大震災の影響に着目し、
1)全国1万社の企業を対象とした郵送調査
「情報資産管理に関する意識調査」(有効回収数:1,491社、回収率14.9%)
2)被災地3県を中心とした訪問調査
「東日本大震災の影響把握のための訪問調査」(訪問件数:60社)
の2種類の調査結果を組み合わせて分析を行いました。
【要旨】
(1)情報資産管理に関する意識調査(PDF/252KB)
<<東日本大震災による事業活動への影響>>
◇東日本大震災が事業継続上の何らかの影響を与えていると回答した企業は、
全体の52.8%。特に、「お客様に被害があり、事業が停滞した」が23.1%と
最も高い。
◇情報資産管理に対する影響は、全体の6.8%にとどまる。しかし、「東海・北陸」
以西に本社のある企業が1~2%にとどまるのに対し、「東北」では、実に29.7%
に達し、大きな被害を受けたことがうかがえる。
<<事業継続計画(BCP)の策定状況と今後の重視点>>
◇BCPを策定している企業は3年前(2008年)の8.9%から17.2%へと約2倍に
アップしており、徐々に普及が進んでいる。しかし、震災前からBCPを策定していた企業のうち、7割強(72.3%)はBCPの見直しが必要となっている。
◇今後、自然災害への備えに対して重視することは、「地震などの大規模災害時の緊急時対応」が64.5%と最も高い。
(2)東日本大震災の影響把握のための訪問調査(PDF/230KB)
◇BCPを策定している企業・団体は少なく、また、策定していても停電や通信網
マヒなどにより、必要な情報が使用できないケースが多発した。また、データの
バックアップはしていたものの、遠隔地保管は実施していなかったため同時被災してしまったケースもみられた。
◇バイタルレコードの安全確保ルールを定めていた企業・団体でも、避難の
ため外部への持ち出しができない、必要なときにすぐに取り出せない、書類が水に濡れる例があった。
(3)まとめ
◇今回のような広域・大規模災害では、個々の医療機関・自治体、あるいは企業
だけでは対応しきれない問題が多数発生。
⇒国や各業界が総力をあげて、それぞれのサプライチェーン全体の最適化に向けた対策が必要。
◇個々の企業・団体においては、ビジネスの実態に合わせて、業務データの確保
のほか、業務継続に不可欠な文書の認識、複製(電子化)取得、安全保管など、
平常時からの継続した備えが必要。
⇒自社のみで難しい場合には、グループ会社や取引先との連携や、実現可能な外部委託先を選択。
●本件についてのお問い合わせ先
株式会社ワンビシアーカイブズ
経営企画部(担当:野村・百瀬)
TEL:03-5425-5400
ご不明な点やご要望などお気軽にご連絡ください。