文書管理の基本は、保存期間の設定から ~文書の法定保存期間~

  • 保管期間
  • 文書管理

企業経営を行う上で紙文書は必要不可欠な存在であることは言うまでもありません。
しかし、近年、この書類の増加が企業経営において課題になりつつあります。そのため厳しい審査を課される東証一部上場企業を始め、多くの企業がオフィスの書類整理に取り組み、スマートな文書保管を行おうとしています。

スマートな文書保管とは、文書が作成された段階から保存期間を決めて適切に管理し廃棄するサイクルを規定することに他なりません。一般的にこれらの管理を文書のライフサイクル管理と言い、このライフサイクル管理を行わなければ、文書は増え続ける一方であり、それに伴った管理コストや情報漏えいリスクも増加してしまいます。

しかし、文書の種類によって法令で定められた保存期間が定められている場合があるため、古いからといって無闇に廃棄することはできません。短期でも2年、中には永久保存の必要がある文書も存在します。それらの法令に準じた処分時期を定めた文書のライフサイクル管理が必要になります。

下記には法令によって保存期間が規定されている法定保存文書をまとめています。参考にしていただければ幸いです。

(2017年1月時点の情報であるため最新情報は監督官庁にご確認いただければ幸いです。また、労働安全衛生に関する文書は割愛します)

文書管理のお悩みを解決する書類保管サービス資料はこちらから

2~4年(短期)の保存期間が定められている文書

人事、労務関係

  • 社会保険、厚生年金保険、雇用保険に関する書類...2年
  • 家内労働に関する帳簿...3年
  • 身体障碍者であることを明示する書類...3年
  • 派遣先/派遣元管理台帳...3年
  • 労働保険、労災保険に関する書類...3年
  • 労働者名簿...3年
  • 賃金台帳...3年
  • 雇入れ・解雇・退職に関する書類...3年
  • 賃金のその他労働関係の重要書類(タイムカード、残業報告書など)...3年
  • 企画業務型裁量労働制についての労使委員会の決議事項の記録...3年
  • 労使委員会記録...3年
  • 雇用保険の被保険者に関する書類...4年

総務、庶務関係

  • 当直日誌、軽易な往復文書、受信・発信文書など...1年
  • 臨時報告書、自己株券買付状況報告書およびそれぞれの訂正報告書の写し...1年
  • 業務日報、社内会議の記録、軽易な契約関係書類など...3年
  • 官公署関係の簡易な認可・出願等の文書...3年
  • 四半期報告書、半期報告書およびその訂正報告書の写し...3年
文書管理のお悩みを解決する書類保管サービス資料はこちらから

5年(中期)の保存期間が定められている文書

経理、税務関係

  • 金融機関が保存する四半期報告書、半期報告書およびその訂正報告書の写し...5年
  • 金融機関等が保存する非課税貯蓄申込書、非課税貯蓄申告書などの写し...5年
  • 会計参与が備え置くべき計算書類、附属明細書、会計参与報告...5年
  • 会計監査報告に関する書類...5年
  • 監査報告に関する書類...5年

人事、労務関係

  • 従業員の身元保証書...5年
  • 契約書などの書類...5年

総務、庶務関係

  • 産業廃棄物処理の委託契約書...5年
  • 産業廃棄物管理票の写し...5年
  • 有価証券届出書・有価証券報告書およびその添付書類、訂正届出書の写し...5年
  • 事業報告に関する書類...5年
文書管理のお悩みを解決する書類保管サービス資料はこちらから

7~10年(長期)の保存期間が定められている文書

経理、税務関係

  • 資産の譲渡等、課税仕入、課税貨物の保税地域からの引取りに関する帳簿...7年
  • 課税仕入等の税額の控除に係る帳簿、請求書など...7年
  • 源泉徴収簿...7年
  • 課税仕入等の税額の控除に係る帳簿、請求書など...7年
  • 給与所得者の扶養控除などの申告書...7年
  • 配偶者特別控除申告書、保険料控除申告書...7年
  • 電子取引の取引情報に係る電磁的記録...7年
  • 取引証憑書類(請求書、契約書、見積書など)...7年
  • 有価証券の取引に際して作成された証憑書類...7年
  • 現金の収受、払出し、預貯金の預入れ・引出しに際して作成された取引証憑書類...7年
  • 決算に関して作成された書類(10年保存で定められている以外の)...7年
  • 仕訳帳、売掛帳など取引に関する帳簿...7年
  • 会計帳簿および事業に関する重要書類...10年
  • 計算書類および附属明細書...10年

総務、庶務関係

  • 製品の製造、加工、出荷、販売の記録...10年
  • 満期または解約となった契約書...10年
  • 重要会議の記録...10年
  • 委員会議事録...10年
  • 監査役会議事録...10年
  • 取締役会議議事録...10年
  • 株主総会議事録...10年

※内部統制整備に関する決議書類は、重要な事業報告が記載された内容のため、永年保存が望ましいでしょう。

文書管理のお悩みを解決する書類保管サービス資料はこちらから

永年保存すべき文書

人事、労務関係

  • 重要な人事に関する書類
  • 労働組合との協定書

総務、庶務関係

  • 定款(法人の目的、名称、社員、機関などが書かれた根本規則)
  • 株主名簿
  • 新株予約権原簿
  • 社債原簿
  • 端株原簿
  • 株券喪失登録簿
  • 登記、訴訟関係書類
  • 官公庁への提出文書、官公署からの許可書・認可書通達などに関する重要な書類
  • 知的所有権に関する関係書類(特許証や登録証など)
  • 社規、社則およびこれに類する通達文書
  • 効力の永続する契約に関する文書
  • 重要な権利や財産の得喪等に関する文書
  • 社報、社内報、重要刊行物
  • 製品の開発・設計に関する重要な文書
文書管理のお悩みを解決する書類保管サービス資料はこちらから

電子保存できる文書もある

以上が法令で保存期間が定められている文書(共通文書)ですが、実はこれらの文書の中には、電子データとして保存できるものが存在します。

例えば領収証は、法的要件を満たせば、電子原本データとしての保存が法令で認められている書類の一つなので、電子データとして保存し、ペーパーレス化を図ることが可能です。以前は3万円未満のものしか電子保存が認められていませんでしたが、現在では3万円以上の領収証に関しても法令によって電子保存が認められています。
その他に請求書や注文書など、法的要件が満たされる場合に電子保存できる文書はいくつか存在し、かつ毎年の法改正により変わりつつあります。

電子データで管理したほうがコストを抑えられることがあるため、法改正に注目してコスト削減や効率性を高めることを意識して取り組むと良いでしょう。

文書管理のお悩みを解決する書類保管サービス資料はこちらから

まとめ

今回は法令で定められた文書の法定保存期間を整理しました。スマートな文書保管においてライフサイクル管理に取り組むことはコスト削減だけでなくコンプライアンス上必要不可欠です。これを機会に、法令で定められた文書だけでなく、企業に存在するあらゆる文書のライフサイクル管理に取り組んでみてはいかがでしょうか。

ワンビシアーカイブズは、書類保管サービス「書庫探」をはじめ、文書管理に関する実績と豊富なソリューションをご用意しておりますので、ご興味がありましたらお問い合わせいただければ幸いです。

執筆者名プロフィール

執筆者名 ブログ担当者

株式会社NXワンビシアーカイブズ 

お問い合わせ

ご不明な点やご要望などお気軽にご連絡ください。

お問い合わせフォームはこちら

お電話でのお問い合わせはこちら

03-5425-5300
営業時間
平日9:00~17:00

RECENT POST「目的別 : コンプライアンス・法令遵守」最新記事

RECENT POST「サービス別 : 書類保管」最新記事

RANKING TOP3 ランキング上位記事

検索する
業種から探す
目的・課題から探す
サービスから探す

お問い合わせ

ご不明な点やご要望などお気軽にご連絡ください。

お問い合わせフォームはこちら

お電話でのお問い合わせはこちら

03-5425-5300
営業時間
平日9:00~17:00