もしもUSBメモリやHDD、磁気テープが故障したら ~データ復旧ガイドライン~

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 ワンビシ デジタル戦略部です。この記事を作成している2017年8月、東京は雨天あるいは蒸し暑い日が続いております。それが原因か定かではありませんが、私のプライベート用スマートフォンに電気系統の故障が発生してしまいました。スマートフォンには重要なデータも記録されていたため、データのバックアップあるいはアーカイブの重要性を、私自身再認識することになりました。

 夏から秋にかけては、パソコンやサーバなどの機器や、ハードディスクなどのメディア故障が増える季節とされています。実際にデータ復旧業者に寄せられる相談や、持ち込まれる故障メディアの数も増える傾向にあるようです。

 ワンビシはデータリカバリのテクノロジを有する企業、Kroll OntrackおよびAOSリーガルテックとの業務提携により、磁気テープやハードディスクなどのメディアが故障した際にデータを復旧させるサービスも提供しています。そこで今回は、企業で使用している大事なデータが記録されたメディアや機器が故障する主な原因と、故障が発生したときの適切な対応法について紹介します。

メディア媒体を安心して保管できる環境へ預けませんか?

ハードディスクや磁気テープ メディア故障の主な原因

老朽化による故障

 一般的にメディアの寿命は、ハードディスクは数年、光ディスクや磁気テープは十年~数十年とされています。当然、保管環境によってはより短い期間で故障することもあります。経年によってメディアに生じる主な故障として、ハードディスクのように機械部品が組み込まれたメディアであれば電源系統の不具合、光ディスクや磁気テープであればデータ記録面の劣化等が挙げられます。

高温高湿・結露によるショートなど

 夏から秋にかけて多くなるメディアの故障原因が、高温高湿によるものです。継続的に高温下に置かれて生じる機械の故障や部品の変形。高湿度環境で保管されるメディアには、気温変化による結露が生じることもあります。結露は電源系統のショートや、記録面に生じるカビ、テープに生じる固着などの原因となります。

落下などの衝撃による破損

 衝撃によってもメディアは壊れてしまいます。CDなどの光ディスクは、少し高いところから硬い床の上に落してしまうだけでも、あっさりと割れてしまうことがあります。磁気テープやHDDなどのメディアも、落下や衝突などによって部品の破損や機械系統の故障などが生じます。

飲み物、雨、夏場の汗などによる浸水

 うっかりコーヒーをパソコンにこぼしてしまって故障、というのは昔からよくあるアクシデントです。やってしまった方を私も見たことがあります。
 台風やゲリラ豪雨など傘が役に立たないような荒天の際に、カバンの中に入れていたノートパソコンやUSBメモリ、携帯電話などが浸水で故障することもあります。他にも夏場にかく汗が、服のポケットに入れていた携帯電話などの故障原因となることがあります。

メディアは小さな破損でも全体が読めなくなることがある

 メディア故障、破損の恐ろしい点は、小さな破損でもデータ全体が読めなくなってしまう可能性があることです。書類などの紙媒体に記録された情報は、紙に小さな破損が生じても、破損領域が極めて重要な部分でない限りは他の領域にある情報を読み取ることができます。しかしメディアであれば、特に記録面に生じた破損はデータ全体の喪失につながることがあります。

メディア故障時にやってはいけないこと

 大事なデータが記録されたメディアが故障してデータが読めなくなった際、電源のオンオフ繰り返しやコンセントの抜き差し、メディアの記録面を磨いたり拭いてみたり、ドライブへの出し入れを繰り返すなど、自力での対処を試みるケースは多くあると考えられます。これらの対処によって、データが再び読めるようになることはあります。しかし下手をすれば、完全に壊れる一歩手前だったメディアに致命傷を負わせたり、無事だった領域にまで傷を広げてしまうことにつながってしまいます。最悪の場合、最初の段階で専門業者に依頼すれば復旧できたデータまで失ってしまうこともあります。

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USBメモリや磁気テープ、HDDなどが故障したときの対処法

最適なのはデータ復旧専門業者への相談

 結論から申し上げれば、信用に足る技術力を有していて、わかりやすい価格体系を示している専門業者に復旧を依頼することが最適です。復旧の技術を持つ専門業者であれば、故障・障害の程度にも依存しますが、メディアの記録部分に磁気やデータが残存していればデータを復旧できる可能性があります。  また、重要データを復旧させる必要性に迫られている顧客の足元を見て、相場より高い料金を提示あるいは作業後に請求する業者も存在するようです。メディアの種類や障害の軽重によっても復旧の難しさや手間が変わるため、実際に見てみないと復旧費用が確定できないのは一般的なことです。しかし標準的な料金をわかりやすく示されていれば、検討において相場との比較が可能になり、想定外の費用が発生する可能性も低くなります。

メディア故障・障害の軽重例としては以下が挙げられます。

 比較的軽度な障害例
 ・メディアをハードウェアは認識するがファイルが読み取れない
 ・PCの電源が入らない
 ・水濡れや水没

 比較的重度な障害例
 ・メディアを認識できない
 ・データを削除した、フォーマット、上書き
 ・記録面の物理的損傷

上記は例であり、比較的軽度とされている障害でも復旧不可となる場合や、診断によって外見上とは別の障害が検出される場合もあります。しかし専門技術を持つ業者であれば、様々な障害に対応することが可能です。企業にとって重要なデータを失うことは、大きな損失につながる可能性があります。大事なデータが記録されているメディアに故障が生じたとき、あるいは故障の兆候があるときには、自力での対処を試みたり簡単に諦めずに、専門業者に相談することが最適な選択であると考えています。

自力でできるメディア故障への対処

 メディア故障や読み込みエラーが生じた際、推奨する対処はデータ復旧専門業者への相談です。とはいえ料金やデータの重要度によっては、業者への依頼を第一の選択肢にできないケースも考えられます。そこで、自力でできる対処法の例をいくつか紹介します。ただし、以下に紹介する対処によって状況が悪化する可能性があることをご了承ください。

メディアの浸水、水没時の対処法

 メディアに浸水等が生じても、メディアの記録面や水分を取り除くことに成功すればデータを読み出せるようになる可能性があります。水に濡れても溶けたり破損しにくい清潔な紙や繊維で水を吸い取る。自然乾燥させる(メディアによっては分解が必要なことも)などの対処があります。メディア浸水の対処において重要なのは、水分を完全に取り除くまで電源のONや通電を避けることです。水が残っているうちに通電してしまうと、ショートなどによって最悪の場合はメディアやデータに致命傷を与える恐れがあります。

メディアの記録面やドライブに生じた汚れへの対処法

 メディアの記録面に生じた汚れは、データの読取を阻害する原因になります。そして、メディアが読めない原因がドライブの読取部等に生じた汚れという場合もあります。このような場合の対処法として挙げられるのが、エタノールのような中性かつ揮発性の溶液を用いた清掃です。

HDD故障の予防法

 HDDはデータを記録する磁気ディスク以外に、様々な電動の機械部品で構成されています。HDDをPC等から外して長期間通電せずに保管しておくと、これらの機械部品が故障してしまうことがあります。数カ月から半年に1度ほどのペースで通電すると、HDDの故障を予防する効果があります。

関連記事:HDD故障の原因と対策、復旧方法をデータ復旧の専門家が語る

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まとめ

データ復旧のテクノロジーが注目を集めた事例として、2003年に発生したスペースシャトル「コロンビア号」の空中分解事故で落下したHDDの復旧に成功した例が挙げられます。同HDDはスペースシャトル空中分解時の高熱および落下時の衝撃によって激しく破損しましたが、米国企業「Kroll Ontrack」によってデータの99%が復旧されました。  また日本国内では、2011年に発生した大相撲力士による八百長の捜査事例が挙げられます。同事例においては、八百長の証拠となる記録、特にメールデータをを隠滅するための携帯電話の破壊が多発しましたが、専門技術を持つ企業「AOSリーガルテック」により証拠データの復旧および解析がなされ、全容解明の大きな力となりました。  ワンビシも情報資産管理のサービスを提供する中で、お客様から故障メディアの復旧に関するご相談をいただくことがあります。このようなニーズにも応えられるように、ワンビシは上記のKroll OntrackおよびAOSリーガルテックと提携し、データ復旧サービスを提供しています。お客様の大事なデータが記録されたメディアに故障が生じてしまった際には、すぐに諦めたりせず、ぜひワンビシにご相談ください。

執筆者名プロフィール

執筆者名 ブログ担当者

株式会社NXワンビシアーカイブズ 

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