契約書管理を行うためのシステムの選び方

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契約書管理システムとは、契約書を電子データとして作成して印刷コストや印紙代を削減したり、契約書をデータベースで管理することで煩雑な原本管理を簡素化したりと、様々なビジネスメリットをもつIT製品です。

契約書管理システムを導入したことで、「1週間かかっていた契約業務がたった1日に短縮された」や、「必要な契約書がすぐに見つかるようになって無駄な時間がなくなった」などの効果事例がたくさんあります。そんな契約書管理システムの導入を検討している企業も多いことでしょう。

しかし、契約書管理システムはどんな製品でも導入さえすれば上記のような効果が得られる、というわけではありません。他のIT製品の例に漏れず、適切な選び方で企業にとって最適な契約書管理システムを厳選することがとても大切です。

そこで今回は、契約書管理システムの選び方について解説します。

導入後に「失敗した...」と感じる瞬間

契約書管理システムは多種多様な製品が提供されているため、特に比較することなく選定してしまうと自社の環境にフィットせず、「きちんと比較して選べば良かった...」と後悔することも少なくありません。まずは契約書管理システム導入後に「失敗した...」と感じる瞬間の事例をご紹介します。

パッケージ製品を選択したが運用負荷が想像以上に大きかった...

パッケージ製品とは、8割方作りこまれたソフトウェアを自社向けにカスタマイズし、社内サーバーにインストールするタイプの製品です。従ってシステム運用は基本的にユーザー企業が行います。パッケージ製品は「柔軟性の高いカスタマイズ」が売りであり、自社要件にほぼ100%フィットさせることができるという利点があるのですが、システム運用には大きな負荷がかかります。この負荷を想定せずに導入に踏み切ってしまうと、情報システムはその負荷に押しつぶされてしまう可能性があります。

要件定義が甘く、備わっている機能では不十分だった...

要件定義とは製品検討時に行う、「自社環境にとって必要な機能とは何か?」という要件を定義する作業です。システム導入や開発は、この要件定義で成否が決まると言っても過言ではないくらい、慎重な検討が大切です。要件定義はそのまま契約書管理システム導入の基準になるため、要件定義が甘いと当然ながら機能が不十分だったり、逆に機能過多によって使いにくいシステムになってしまいます。

肝心なときにサポートを受けられず、業務効率が下がってしまった...

契約書管理システムを導入するにあたってベンダーのサポートをあまり重視しない企業は多いのではないでしょうか?特に、システム運用にある程度自信がある企業では、何かトラブルがあっても自社対応できると考えてしまう傾向があります。しかしながら、導入する製品の詳細な仕様を把握しているわけではなく、対応できないトラブルが発生するリスクも考えられます。肝心なときにベンダーサポートと連絡がつかないと業務停止に陥ったり、効率が大幅に低下してしまいます。

現行のシステム運用の延長と考え、見直しができていなかった...

これもシステム運用に自信を持っている企業にありがちな失敗事例です。契約書管理システムを新たに導入するには、現行のシステム運用を見直して、新しい運用計画を立てることが肝要です。しかし現行のシステム運用の延長と考えてしまうと、導入後に運用計画が合わず、システムパフォーマンスが低下して運用負荷が大きくなってしまう可能性があります。

このように、契約書管理システムは「導入して良かった!」ということばかりではありません。正しい選び方ができていないと、ビジネスメリットどころか、逆に後悔することになるので、やはり正しく選定することがとても大切です。

契約書管理システム選びのポイント

それでは、契約書管理システムの選び方について具体的に5つのポイントを解説します。各ポイントをしっかりと押さえて、正しい契約管理システム選びで導入効果を最大限に引き出しましょう。

ポイント1. 導入形態を慎重に選ぶ

契約書管理システムの導入プロジェクトで、まず実行すべきことは、「導入形態選び」です。一般的には「オンプレミス」として社内インフラに構築するか、「クラウドサービス」を利用するか、という選択肢があります。

オンプレミスの利点は前述のように、「柔軟性の高いカスタマイズ」です。「フルスクラッチ」(ゼロからの開発)ならば100%機能要件に対応することはできますが、初期投資が膨大になるため、多くの企業はパッケージ製品を選択します。その際に、業務プロセスにマッチしない部分に関してはカスタマイズが必要なので、オンプレミスだと可能な限り機能要件にフィットさせられるというメリットがあります。しかしその反面、導入後の運用負荷が大きく、フルスクラッチほどではないにしろ大きな初期投資が必要になります。

クラウドサービスの利点は「初期投資を抑え、かつ運用負荷を軽減できる」という点です。ソフトウェアベンダーが提供する契約書管理システムをオンラインで利用するため、初期投資は非常に安く、かつシステム運用を必要としないという、メリットがあります。その反面、すでにシステムとして完成されたものが提供されるため、カスタマイズ性が低いという難点もあります。

どちらが最適かは企業それぞれの環境によって違いますが、最近ではクラウドでの導入を優先的に検討する企業が圧倒的に増えています。機能要件にフィットしない部分に関しては業務プロセスをシステム側に合わせることで対応できるため、初期投資の低さやシステム運用負荷が低いという点に大きなメリットを感じているのです。

ポイント2. 要件定義に時間をかける

きちんとしたソフトウェア開発プロセスを持ったシステム会社は、要件定義に何ヵ月もかけることがあります。準備さえ完璧ならばその後のプロジェクトはスムーズに進むため、契約書管理システムの導入でも要件定義はとても大切です。完璧な要件定義があれば、プロジェクト途中の仕様変更は最小限になりますし、導入後のトラブルも圧倒的に減少します。

ポイント3. 機能面で注目するところ

契約書管理システムの機能面で注目すべきポイントはまず「インターフェース(操作画面)の使いやすさ」です。企業内でシステムを利用するユーザーはITリテラシーが高い人ばかりではないので、直感的で使いやすいインターフェースを備えていることで、利用者全員にとってストレスなく使用できるシステムが導入できます。

ポイント4. セキュリティに関する確認

契約書という非常にデリケートな情報を管理するシステムなので、セキュリティ面ではアクセス権限の設定機能はもちろんのこと、各ユーザーの操作履歴が追えるログ管理機能や、システム上に保存された契約書のPDFでのダウンロードや印刷を管理・統制する機能にも着目しましょう。

ポイント5. ベンダーサポートの確認

ベンダーが提供するサポートに関しては、システム立ち上げ時の対応(導入支援やトレーニング)、導入後の保守(定期メンテナンスや休日の対応可否など)、社内体制の変更などに伴う機能追加や変更といった要件を必ず確認します。これに加えて、ベンダーの事業継続の可能性についてもきちんと精査し、事業撤退などによってサポートが受けられなくなるようなリスクを回避しましょう。

以上5つのポイントで契約書管理システムの選定を進めれば、自社にとって最適なシステム選びができます。細かいポイントについては、導入パートナーと積極的に協業しながら調整していきましょう。

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