e-文書法と電子化された文書データの保存方法の紹介

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 デジタル化・ペーパレス化の波は企業の文書管理にも及んでおり、その代表的な事例が「e-文書法」と呼ばれる法律の施行です。

 税務、経理関係など法令で保存が義務付けられている文書(法定保存文書)を電子データとして保存することを認める電子帳簿保存法は、1998年の施行当時、企業の紙文書管理の課題を解決するものとして注目されました。しかし、この法律は電子データとして保存が認められる対象の文書が限定された上に、要件も厳しく、当初の期待ほどデジタル化は進みませんでした。

 以前より、企業にとって紙文書の保管や管理のコストは大きな負担となっていました。そこで2005年4月、税務、経理関係の証票や取締役会議事録など、法令で保存が義務付けられている法定保存文書をデジタル化して保存することを認めるe-文書法が施行されました。同法の施行によって、企業は保存義務が定められた文書をデジタル化することで、保管スペース削減や文書管理の効率化を図りやすくなりました。e-文書法は2015年3月と2016年3月に改正され、より実用的な法律として整備されました。これらの流れに乗ってデジタル化を推進する企業がますます増加しています。

 今回は、法改正も含めたe-文書法の基本情報と、電子データ保存についてご紹介します。

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e-文書法とは?

 e-文書法は2005年4月に施行された、正式には「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成16年法律第149号)」と、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成16年法律第150号)」の総称です。

 前述のように、e-文書法が施行される以前から電子帳簿保存法という、税務、経理関係の法定保存文書の電子データでの保存を認める法律がありました。この電子帳簿保存法の改正を含むe-文書法の施行により、従来は電子データとして保存が認められていなかった証憑書類のデジタル化による保存(スキャナ保存)が容認され、規制が大きく緩和されることとなりました。

電子帳簿保存法の詳細はこちらでもっとご参考にしてくださいませ。

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文書をデジタル化するメリット

 文書をデジタル化するメリットは、以下が挙げられます。

  • 紙文書の保管スペースが不要となり、保管コストを削減できる
  • 文書が必要になった際、紙文書では文書箱の中から対象の文書を探し、使用後には正しく戻すことが必要だが、電子データであればインデックスを整えることで容易に検索、使用することが可能になり、管理コストを削減できる

 ただし、企業決算に関わる損益計算書や貸借対照表など企業の決算に関わる重要文書は、電子データでの保存を認める対象から外されています。

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e-文書法の改正で何が変わったのか?

 e-文書法で電子データ保存が認められている文書をデジタル化することは様々なメリットがありますが、施行当初には以下のような制限がありました。

  • 3万円以上の契約書、領収書類のデジタル化は認めない
  • 電子データに付与される電子署名は、電子署名法によって定められた認定事業者のものでなければならない
  • 原稿台と一体となったスキャナを使用し、要件に沿ったサイズでカラースキャンする必要性
  • スキャンした電子データの検索機能と国税関係帳簿の互換関連性の確保が必要

 これらの制限がもたらす実務上の不便を解消するため、e-文書法は2015年3月と2016年3月に改正されました。

 まずは3万円以上の証憑書類の電子データ保存規制と、要件に沿ったサイズとカラーの規定が廃止されました。同時に、電子帳簿保存法に基づく事前認証と電子署名の規定も廃止されています。これらの制限の撤廃により、企業はより多種の文書を少ない手間で電子データとして保存できるようになりました。

 そして、領収書をスマートフォンやデジタルカメラで撮影したデータで保存することも認められました。例えば従来、経費精算の際には領収書を一枚ずつ集めて紙で管理していたものが、電子データとして効率的に処理できるようになりました。

※タイムスタンプ等の運用規定順守を条件に、領収書類のデジタル化は容認されましたが、紙文書での一定の保存義務もあります。

 2度の法改正によりe-文書法はより実用的な法律となり、文書をデジタル化して保存する動きも広がっています。

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電子データ保存

 文書を電子データで保存することで、文書管理のコスト削減と業務処理の効率化が実現する一方で、別の課題が発生しています。

 それは、増加した電子データを保管するための管理コストです。データ量増大によるストレージコストや災害対策のためのシステムコスト、情報漏えい対策のセキュリティコストなど、紙文書の管理コスト削減と引き換えに、新しいコストが発生しています。

 e-文書法でデジタル化が認められた文書は、企業にとって重要な文書であるだけでなく一定年数の保存が義務付けられているため、電子データとしても適切に保管されなければなりません。

磁気テープで電子データを保管しようとした場合、テープドライブの導入や保管スペースの確保、温度、湿度の管理などが必要になります。自社に合ったデータ保管方法を検討しましょう。

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まとめ

 e-文書法は実用的な法律として浸透しつつありますが、前述したように管理コスト増加などの課題も存在します。メリットを損なわずにe-文書法へ対応するには、増加する電子データの管理方法を慎重に検討し、適切な管理を実施することが大切です。

執筆者名プロフィール

執筆者名 ブログ担当者

株式会社NXワンビシアーカイブズ 

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