「文書管理の第一人者が語る!『攻めの文書・情報管理』セミナー」レポート | 株式会社NXワンビシアーカイブズ

「文書管理の第一人者が語る!『攻めの文書・情報管理』セミナー」レポート

2017.04.12  株式会社ワンビシアーカイブズ

文書管理で、お客様の課題は何ですか?」。そう問われて即答できる方は少ないのではないでしょうか。そもそも文書管理のポイントは、どのような点にあるのでしょうか。

そのような疑問に応えるため、弊社ではこの度、文書管理の第一人者である小谷允志様をお招きして、2017年3月17日(金)に「文書管理の第一人者が語る!『攻めの文書・情報管理』セミナー:これからの企業・組織に求められる文書・情報管理の要件~「守り」から「攻め」へのパラダイムシフト~」を開催いたしました。当日は多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございます。皆様の文書管理に対する関心の高さを改めて認識させていただく良い機会となりました。

今回のブログでは、皆さまが文書管理を考える上での有意義な情報として、セミナー当日の講演内容から一部をご紹介させていただきます。

小谷 允志(こたに まさし)氏

講師:小谷 允志(こたに まさし)氏

所属

  • 株式会社出版文化社・アーカイブズ研究所・所長
  • ARMA東京支部・顧問
  • 一般社団法人日本経営協会・参与

経歴

  • 中国大連生まれ、神戸大学法学部卒
  • 株式会社リコー、日本レコードマネジメント株式会社・レコードマネジメント研究所・所長
  • ARMA東京支部元会長
  • 記録管理学会・元会長

著書

  • 『今、なぜ記録管理なのか 記録管理のパラダイムシフト:コンプライアンスと説明責任のために』(日外アソシエーツ、2008年)
  • 『記録・情報管理:コア・コンピテンシー』(共訳)(ARMA東京支部、2009年)
  • 『文書と記録のはざまで:最良の文書・記録管理を求めて』(日外アソシエーツ、2013年)

日本の文書管理の問題点とは

日本の文書管理(ファイリングシステム)の特徴

日本では、文書管理といえば、「ファイリングシステム」のことを指すのが一般的です。本来の文書のライフサイクルは、「(作成) ⇒ 整理 ⇒ 保存 ⇒ 廃棄 or (移管)」という流れで進められます。しかしながら「ファイリングシステム」の目的は、出来上がった文書の中から必要な文書をすぐに取り出し、後は廃棄して保管スペースを抑えることだったため、全体的なライフサイクルから、「作成」「移管」のプロセスが欠けていました。そもそも文書を「作成」しなければ、保存も活用もできません。また、保存期間が満了した時に歴史的な文書をきちんと「移管」しなければ、「アーカイブズ」として永久保存すべき価値のある文書まで捨ててしまうことになります。ファイリングシステムは元々、「情報資産」「説明責任」「リスク管理」といった現代社会において求められる概念に基づいていないため、単なる文書整理の域をでていないのです。

記録管理のプロセス

そこで、グローバル・スタンダードの「記録管理」という考え方が役立ちます。記録のライフサイクル管理とは、「作成 ⇒ 整理 ⇒ 保存 ⇒ 延長 or 廃棄 or 移管 ⇒ アーカイブズ」のように、プロセス全体を対象としています。具体的には「作成 ⇒ ファイル ⇒ 事務室保存 ⇒ 集中書庫保存 ⇒ 処分 ⇒ 永久保存」と言い換えることもできます。「処分」とは、保存期間満了時に延長、廃棄、移管のいずれが最もふさわしいか選別するプロセスを意味しています。

文書と記録:どこが違うのか

「文書(Document)」は、一般にいう書類・文書すべてを含む概念です。「記録(Records)」とは、法的な義務の履行または業務処理の過程において証拠及び情報資産として、作成、受領、保存される情報を表します。したがって、文書より記録の方が対象は限定されます。一旦、記録となったものは修正することはできません。

日本の組織が抱える文書管理の問題点

日本の文書管理の問題として、次のような点が挙げられます。

  1. 組織トップの関心事ではなく、組織活動の中でのプライオリティが低い
  2. 記録が業務の証拠であり、情報資産として残すという意識に欠ける
  3. 文書管理規程があっても形骸化しており、全社的、体系的な仕組や統制が弱い
  4. 文書管理の専門職体制が確立されていない

これからの企業・組織に求められる記録管理とは

記録管理の実行でまず大事なこと

  1. 組織の記録管理の方針を明確にする
    方針は事業目的から導き出されるため、適切な意思決定レベルで策定されるべき
  2. 組織の記録管理の責任を明確にする
    責任と権限は定義され、記録を作成・利用する全ての職員に対し明示されるべき

記録管理の目的

  1.  説明責任(アカウンタビリティ)
    情報公開・コンプライアンス・CSRといった、企業に求められる要求事項に対応します。現代の企業は、株主・消費者・地域社会などの利害関係者(ステークホルダー)に向けて、次のような情報の開示が求められています。
    1. 財務情報の開示(金融商品取引法等)
    2. 商品の品質情報(リコール・薬害・欠陥商品情報)
    3. 環境に関する情報(公害・有害物質汚染情報)
  2. 情報資産の高度活用(ナレッジマネジメント・アーカイブズ)
    情報を共有し、高度に活用することで、新たな知識の活用・創出を図ります。勘や経験といった「暗黙知」と、マニュアル等による「形式知」とを相互変換することで、新たな組織的知識を創造することが可能となります。
  3. 危機管理(リスクマネジメント)
    「文書提出命令」により、裁判所を通じて証拠文書の提出を求められるケースが増えております。また、顧客名簿等の個人情報や営業秘密の流出、災害などの脅威に備えるためにも、基幹記録(Vital Records)を保護することが重要です。災害からの予防を考慮(Disaster Plan)し、外部レコードセンターを利用して分散保管をするなど、組織活動を維持する事業継続計画(BCP)が重要です。

良い記録の要件とは

記録管理の国際標準であるISO15489では、次の4要件が定められています。

  1. 真正性(Authenticity)
    記録が本物であることです。日付、内容、作成者が称する通り本物でなければなりません。
  2. 信頼性(Reliability)
    正確に記録が作成されていることです。業務処理を直接担当した人が、その直後に記録を作成する必要があります。議事録などの例が挙げられます。
  3. 完全性(Integrity)
    記録が原本のままで、後で誰かが勝手に修正していないことです。文書化されたルールに基づいて管理します。
  4. 利用性(Usability)
    記録がどこにあるかを把握し、業務活動と関連付けて検索できることが大切です。

セミナー終了後、参加者の皆さまから記入いただいたアンケートを拝読しましたところ、文書管理規程等のルールはあるものの、運用面で不明な点や、実行面で苦労している、という主旨のご記入が数多くございました。今回のようなセミナーで文書・情報管理の考え方を理解され、皆さまの事業・業務活動にお役立てていただければ幸いです。弊社では、書類保管サービスを中心に、お客様の課題を明らかにし、解決するためのご案内をさせていただいておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

「攻め」の文書管理とは ~「文書管理」から「記録管理」へのパラダイムシフトが企業に利益をもたらす~ 「攻め」の文書管理とは ~「文書管理」から「記録管理」へのパラダイムシフトが企業に利益をもたらす~
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