「文書管理で、お客様の課題は何ですか?」。そう問われて即答できる方は少ないのではないでしょうか。そもそも文書管理のポイントは、どのような点にあるのでしょうか。
そのような疑問に応えるため、弊社ではこの度、文書管理の第一人者である小谷允志様をお招きして、2017年3月17日(金)に「文書管理の第一人者が語る!『攻めの文書・情報管理』セミナー:これからの企業・組織に求められる文書・情報管理の要件~「守り」から「攻め」へのパラダイムシフト~」を開催いたしました。当日は多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございます。皆様の文書管理に対する関心の高さを改めて認識させていただく良い機会となりました。
今回のブログでは、皆さまが文書管理を考える上での有意義な情報として、セミナー当日の講演内容から一部をご紹介させていただきます。
日本では、文書管理といえば、「ファイリングシステム」のことを指すのが一般的です。本来の文書のライフサイクルは、「(作成) ⇒ 整理 ⇒ 保存 ⇒ 廃棄 or (移管)」という流れで進められます。しかしながら「ファイリングシステム」の目的は、出来上がった文書の中から必要な文書をすぐに取り出し、後は廃棄して保管スペースを抑えることだったため、全体的なライフサイクルから、「作成」「移管」のプロセスが欠けていました。そもそも文書を「作成」しなければ、保存も活用もできません。また、保存期間が満了した時に歴史的な文書をきちんと「移管」しなければ、「アーカイブズ」として永久保存すべき価値のある文書まで捨ててしまうことになります。ファイリングシステムは元々、「情報資産」「説明責任」「リスク管理」といった現代社会において求められる概念に基づいていないため、単なる文書整理の域をでていないのです。
そこで、グローバル・スタンダードの「記録管理」という考え方が役立ちます。記録のライフサイクル管理とは、「作成 ⇒ 整理 ⇒ 保存 ⇒ 延長 or 廃棄 or 移管 ⇒ アーカイブズ」のように、プロセス全体を対象としています。具体的には「作成 ⇒ ファイル ⇒ 事務室保存 ⇒ 集中書庫保存 ⇒ 処分 ⇒ 永久保存」と言い換えることもできます。「処分」とは、保存期間満了時に延長、廃棄、移管のいずれが最もふさわしいか選別するプロセスを意味しています。
「文書(Document)」は、一般にいう書類・文書すべてを含む概念です。「記録(Records)」とは、法的な義務の履行または業務処理の過程において証拠及び情報資産として、作成、受領、保存される情報を表します。したがって、文書より記録の方が対象は限定されます。一旦、記録となったものは修正することはできません。
日本の文書管理の問題として、次のような点が挙げられます。
記録管理の国際標準であるISO15489では、次の4要件が定められています。
セミナー終了後、参加者の皆さまから記入いただいたアンケートを拝読しましたところ、文書管理規程等のルールはあるものの、運用面で不明な点や、実行面で苦労している、という主旨のご記入が数多くございました。今回のようなセミナーで文書・情報管理の考え方を理解され、皆さまの事業・業務活動にお役立てていただければ幸いです。弊社では、書類保管サービスを中心に、お客様の課題を明らかにし、解決するためのご案内をさせていただいておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
執筆者名 ブログ担当者
株式会社NXワンビシアーカイブズ
ご不明な点やご要望などお気軽にご連絡ください。
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