改めて今考える「ペーパーレス」とは?

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2019年4月に働き方改革関連法案が施行され、多くの企業では生産性向上に向けた取り組みを行っています。「生産性向上と紙の量を減らすことに、どんな関係があるの?」と思われる方も多いでしょう。ペーパーレスには、紙の資料を削減し、デジタル化することで情報の検索性を高め、業務効率を高める効果があり、その他にも諸々のメリットがあります。

本稿では、そもそもペーパーレスとは何かを考え、ペーパーレスを実現することで生じるメリットと取り組み方を解説します。

ペーパーレスとは?

ペーパーレス(paperless)は、読んで字のごとく、「紙を少なくすること」です。狭義では、企業内で作成する資料を紙で保存するのではなく、デジタル化によって、データとして保存することです。

広義では、書籍からデジタル書籍、紙チケットからデジタルチケット、切符からICカードといった、多様な変化もペーパーレスに含まれます。その歴史は意外と古く、1970年頃に誕生した考え方です。

当時、米ゼロックスが開発したコンピューターのALTOをきっかけに、デバイスの開発が加速し、電子メールも登場したことで、紙の資料ばかりの世界に変化が生じます。その後はワープロ専用機が普及し、パソコン向けのワープロソフトウェアがオフィスに導入され、1990年代中頃から一気にペーパーレスが普及します。

さらに、2010年代に入り、インターネット環境の充実と無線LANの普及、大容量ストレージやクラウドサービス、仮想化技術やスマートデバイスが広がったことで、紙の資料をデジタルデータとして管理するための環境が低コストで整うようになったことから、現在のペーパーレスブームに至っています。

ペーパーレスのメリット

ペーパーレスを実現することで、生産性向上が期待できます。ここでは、それぞれのメリットについてご紹介します。

メリット1. 紙の印刷コストを削減する

ペーパーレスは、文字通り「紙を少なくすること」であり、紙資料を活用する必要性を無くすことでもあります。たとえば、会議中に配賦する資料を紙ではなくデジタルデータに換えれば、人数分の資料を印刷する必要はありませんし、それに伴い印刷コストも削減できます。

オフィスに設置しているスキャナ機種にもよりますが、A4サイズのモノクロコピーは1枚あたり2~4円程度のコストがかかりますので、これを1日100枚も削減すれば1日200~400円、年間にすると73,000~146,000円のコスト削減です。これが1日1,000枚になればさらに10倍、1日10,000枚ともなればさらに100倍のコスト削減効果があります。

メリット2. 長期保存による劣化が無い

企業が作成する資料の中には、長期保存を必要とするものがたくさんあります。特に国税関係書類や契約関係書類は、法律によって長期保存が義務付けられています。その理由が、コンプライアンスに係るような問題が発生した際に、そうした資料の迅速な提出が求められるからです。

ただし、紙で印刷した資料も経年劣化するため、環境によっては、必ずしも長期保存に適するとは限りません。文字がかすれたり、破れたり、といったリスクのため、資料を消失する可能性もあります。一方、デジタルデータで保存されている資料ならば、経年劣化はありませんし、破れたりする心配もありません。磁気テープなど長期保存に優れたメディアで保管すれば、数十年単位で安心して保管できます。

メリット3. 資料の検索性がアップする

デジタルデータとして保存した資料は、紙資料と違って簡単に検索できます。ファイルサーバー上で目的の資料に関係する検索キーワードを入力するだけで、瞬時に資料を見つけ出すことが可能です。

紙資料は、席を立ってキャビネットや保管庫まで足を運び、そこから資料を探し出す作業が必要になるため、ペーパーレス化を進めることで、資料の検索性や業務効率が同時に高まります。

メリット4. 資料をどこからでも閲覧できる

デジタルデータとして保存した資料は、クラウドストレージサービス上に保存することで好きな場所から閲覧できます。クラウドストレージサービスとは、インターネット上に用意されたストレージ空間であり、プランに応じて割り当てられたストレージを自由に活用できます。

そこにデジタルデータを保存すると、アクセスする場所や端末を選ばずに、いつでも同じ環境を利用できるため、外出先や自宅からでも資料を閲覧し、ダウンロードできます。

メリット5. セキュリティ対策が行いやすい

紙の資料は、記録を残さずにコピーできますし、破損することもあります。さらに、重要資料を入れたカバンをどこかに置き忘れたり、盗まれたりすると、情報流出になってしまいます。

一方、デジタルデータとして保存した資料は、適切なセキュリティ対策を講じやすく、資料ごとにアクセス権限をかけることも可能です。セキュリティ性を高めることで、コンプラインス維持にも取り組みやすくなります。

メリット6. オフィス周りが綺麗になる

オフィスの中から紙の資料が少なくなることで、スッキリとして働きやすい環境が整います。これも業務効率に大きく影響する問題なので、初めは小さな違いでも、継続することで生産性向上に貢献できます。

メリット7. 環境問題に取り組める

近年では、社会的視点から企業の役割が見直され、環境問題に取り組むことが当たり前になっています。ただし、その取り組みにも大きなコストや労力がかかりますし、簡単なものではありません。ただしペーパーレスを進めれば、日々大量に消費される紙を節約でき、環境問題への取り組みにもつながります。

いかがでしょうか?ペーパーレスにはこれほどのメリットがあり、働き方改革の一環として取り組む企業が多いのも納得です。紙の資料を減らし、紙資料の必要性を限定することで、生産性向上などの経営課題を解決するきっかけにもなります。

ペーパーレスを実現するには?

それでは、ペーパーレスの入門編として、ペーパーレスを実現するためのポイントを3つご紹介します。

最初は紙とデジタルデータを併用する

ペーパーレスを実現するにあたり、最初は紙とデジタルデータの併用をします。いきなり完全にデジタルデータ化すると、現場は戸惑いますし、大幅な業務プロセスの変更により生産性が下がります。多少の手間はありますが、最初のうちは紙とデジタルデータを併用しましょう。

企業にとって保存すべき資料を整理する

企業にとって保存すべき資料を整理してみると、何が必要で何が不要なのかが判明します。不要な資料に関してはどんどん削減しましょう。これもペーパーレスの一環です。必要な資料はデジタル保存の要件を検討し、可能ならばデジタルデータ化を目指します。

タブレットを活用してみる

タブレットは、ペーパーレスを気軽に実現するためのツールです。以前は紙に印刷していた資料をタブレットで参照し、会議でも積極的に利用してみましょう。PDFファイルへの直接書き込み機能を利用すれば、紙の資料と同じように扱えます。

まとめ

いかがでしょうか。ペーパーレスの実現によるメリットは様々です。しかしながら、いざ自力で全ての情報をペーパーレスに置き換えることは非常に困難です。

そこで当社では、長年にわたり企業の情報資産管理に携わってきた経験から、電子契約サービス「WAN-Sign」を提供しています。

是非ご検討ください。

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