インシュアテック(InsurTech)~事例で見るAIと機械学習による保険業界の変革~

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近年、AI(人工知能)と機械学習の技術が急速に進化し、さまざまな業界でその活用が進んでいます。特に保険業界では、これらの技術が業務効率の向上や顧客サービスの改善に大きく寄与しています。本記事では、AIと機械学習が日本の保険会社にどのような変革をもたらしているのか、具体的な事例を交えて詳しく解説します。

インシュアテック(InsurTech)とは

インシュアテックとは、保険(Insurance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせてできた言葉です。AIIoTなどの最新技術を用いて、保険業界の業務効率化や利益拡大、サービスの利便性向上を実現することを意味します。

2017年5月に経済産業省「FinTechビジョン」では、保険分野のFinTech と位置付けられています。

参考:経済産業省「FinTechビジョン」(FinTech の課題と今後の⽅向性に関する検討会合 報告)

1. AIと機械学習を活用して自動化されたカスタマーサービス

進化するカスタマーサービス

AIと機械学習の導入により、保険会社のカスタマーサービスは大きく進化しています。従来のカスタマーサービスは、電話やメールでの対応が主流でしたが、AIを活用することで、24時間365日対応可能なチャットボットやバーチャルアシスタントが登場しました。これにより、顧客はいつでも迅速に問い合わせに対応してもらえるようになり、満足度が向上しています。

チャットボット

例えば、A社では、AIを活用したチャットボットを導入し、顧客からの問い合わせに迅速に対応しています。このチャットボットは、自然言語処理技術を用いて顧客の質問を理解し、適切な回答を提供します。また、複雑な問い合わせについては、必要に応じて人間のオペレーターに引き継ぐことも可能です

2.AIと機械学習を活用した保険詐欺の検出

保険詐欺は保険会社にとって大きな課題です。AIと機械学習を活用することで、保険詐欺の検出が飛躍的に向上しています。AIは大量のデータをリアルタイムで解析し、不正行為の兆候を迅速に検知することができます。

例えば、B社では、AIを用いた詐欺検出システムを導入しています。このシステムは、過去の詐欺データを学習し、さまざまな疾病やケガへの治療による請求理由の中から、不正請求を事前検知しています。これにより、保険会社は詐欺被害を未然に防ぐことができます

3. 日本の保険会社での導入事例

日本の保険会社は、AIと機械学習を積極的に導入し、さまざまな業務の効率化を図っています。以下に、いくつかの具体的な導入事例を紹介します。

事例1)

C社:AIを用いた保障設計の見直しやレコメンドシステムを導入しています。このシステムは、顧客のライフスタイルや健康状態を分析し、最適な保険プランを提案します。C社が過去作成した約 1,700万件の保障設計データをAI が機械学習し、加入中の契約情報に加え、顧客の重視したい保障内容や、保険料の予算等の意向に基づき、3大疾病等を重視する等の保障プランを自動作成します。これにより、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズドサービスを提供しています。

事例2)

D社:AI-OCR(光学文字認識)技術を活用し、WEB上での新契約手続きの本人確認書類の認証を自動化しています。運転免許証やマイナンバーカード、パスポートをはじめとする本人確認書類を、様々なフォーマットやAI(人工知能)技術を用いて、ゆがんだ文字なども自動読取とデータを構造化し出力します。これにより、書類の確認作業が効率化され、顧客の手続きがスムーズに進むようになりました 。

事例3)

E社:従来、お客様コンタクトセンターの営業時間内に電話で申し出のあった生命保険料控除証明書の再発行について、顧客の都合に合わせて、24時間365日、自動音声による受付で簡単に手続きすることが可能となります。また、受付後の処理においては、RPAを活用し、受付データの読み込みから生命保険料控除証明書の印刷までを完全自動化し、大幅な業務の効率化を実現しています。

4.日本の保険会社での未来展望

業務効率化によってコールセンターや、査定業務の自動化が可能になり、ビッグデータの活用でリスクや支払金の算定も細かくできるようになっています。今後、AIと機械学習の技術はさらに進化し、日本の保険業界における活用範囲も広がると予想されます。以下に、いくつかの未来展望を紹介します。

(1) 高度なリスク評価

AIは、ビッグデータを活用してより精密なリスク評価を行うことが可能です。これにより、保険料の算出がより公平かつ正確になる可能性があります

(2) パーソナライズドサービスの強化

AIは、顧客の行動データやライフスタイルデータを分析し、個々のニーズに合わせた保険商品を提供することができます。これにより、顧客満足度がさらに向上します。

(3) 自動化のさらなる進展

AIと機械学習の進化により、保険業務(コールセンターや、査定業務など)のさらなる自動化が進むでしょう。これにより、業務効率が向上し、コスト削減が実現します。

5.まとめ

AIと機械学習は、日本の保険業界に大きな変革をもたらしています。自動化されたカスタマーサービスや保険詐欺の検出、具体的な導入事例、そして未来展望を通じて、これらの技術がどれほど重要であるかが明らかになりました。これからは、生成AIにとって優しくないデータの取り込みにチャレンジし、分析精度を更に上げていくことも考えられます。今後もAIと機械学習の進化に注目し、保険業界のさらなる発展を期待しましょう。

NXワンビシアーカイブズでは、保険の申込受付や保険金請求のバックオフィス業務を受託していますが、事務業務遂行とあわせて、事務業務の過程で取り扱う帳票・添付資料を電子化しAI-OCRで各種情報を抽出し、AIに投入するデータセットを作成するなどお客様のDXを支援するサービスを実施しています。

「AI-OCR×BPO」サービスでは、AI-OCR技術とBPOサービスを組み合わせることでデータ入力のプロセスを短縮し、業務効率化進めることをサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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