
こんにちは。
分散された情報を集約・整理し、新しいデータマネジメントやDXを推進するレコードバンキングシステム「WAN-RECORD Plus」を提供するNXワンビシアーカイブズです。
ビジネスの現場で使っているデータは、正しい手順と目的を持って利用すれば業務の効率化や売上の向上につながります。
この記事では、データ活用とは何かを分かりやすく整理し、押さえておきたい流れやメリット、成功事例を交えながら実践に役立つ内容を紹介します。
「データ活用」と「データ分析」との違いをしっかり区別できている人は意外に少ないのではないでしょうか。
2つの違いを明確にしながら、ビジネスの現場におけるデータ活用の必要性も見ていきましょう。
データ分析は、集めた情報を整理して傾向やパターンを読み取り、そこから意味や仮説を見つけ出すことです。つまり「知ること」を目的としています。
一方、データ活用は、分析から得られた知見をもとに、業務の改善や戦略づくり、意思決定に結びつけていく行動です。単に情報を読み解くだけでなく、「情報を生かすこと」を目的としています。
データ活用が必要とされるビジネス環境の背景には、スマートフォンの普及があります。消費者は手元の端末で常に情報の検索や発信ができるようになり、多くの情報量が大量に生み出され、その結果、トレンドの移り変わりも加速しています。
また、IT分野の技術革新やDXの推進も、データ活用が重視される背景といえるでしょう。大容量、低遅延を可能にする「5G」の商用化により、大企業だけでなく、中小企業でも大容量のデータを高速で扱える環境を整えやすくなり、データ活用がより注目されるようになりました。
データ活用は、業種や職種によって使い方が異なります。
例えば、営業では、顧客の基本情報と商品の購入履歴から、ある商品がどのような顧客に買われやすいかを推測できます。
また、マーケティングの分野では、Webサイトの閲覧データや実店舗での購買記録などから、ユーザー行動の傾向を把握できるでしょう。
データ活用をスムーズに進めるには、事前の準備が必要です。ここでは、2つ解説します。
データ活用においては、社内の体制づくりと人材の育成が欠かせません。専門知識を持つ人材だけでなく、現場でデータに触れるすべての従業員に基礎的なITやデータの理解を広げることが大切です。
また、従業員それぞれの役割を明確にすることも、実践的なデータ活用につながります。データ活用を効率的に進めるには、以下のような人材が求められます。
など
データを活用する際は、目的を明確に定めましょう。目的を明確にすれば、取り組むべき課題も明確になり、無駄のない進め方ができます。
例えば、売上の向上や業務の効率化、リスクの回避などの狙いを明示しておくことで、どのような分析環境やツールが必要かも判断しやすくなります。
データをうまく活用するには、最初に目的を明確に定めた上で、収集や分析、整理などの手順を段階的に進めます。また、成果を振り返ることも欠かせません。
データを活用するには、まず何のために使うのかをはっきりさせましょう。
「売上を半年で5%向上させる」など、数値を含んだ具体的な目標を立てることで、取り組み後の評価の基準になります。達成度を把握しやすくなり、取り組みの振り返りや改善もしやすくなるでしょう。
曖昧な目的では、分析の方向性が定まらず、活用の効果が得にくくなります。
データを集めるときは、自社の各部署だけでなく、必要があれば外部から情報を取り入れることも検討しましょう。無料でアクセス可能なデータもありますが、関連企業のデータを購入するパターンもあります。時間をかけて豊富なデータを集めることで、現状を正確に把握でき、未来の動きを予測しやすくなります。
データを分析する際は、目的や課題、集めたデータの種類に合わせた方法を選択します。専門的な知識を持つ人材やBIツールを使用して、無関係に見える情報のつながりやパターンも注意深く探ります。
また、分析手法は、目的に応じて使い分けが必要です。例えば、アンケート結果を年齢や性別で細かく分類して傾向を探るクロス集計、複数の要因で分かれる結果を確率で見るロジスティック回帰分析、複数のデータから関連性やパターンを見つけ出すアソシエーション分析などがあります。規則性や相関、異常値の有無を丁寧に読み取ることで、見落としていた課題や可能性が見えてきます。
データを扱いやすくするために、数値化したり、グラフ化するなど、誰でも理解できるように工夫します。情報を整理することで、関連性や原因も見つけやすくなるでしょう。
ダッシュボード機能を使って、複数のデータを並べて比較しやすくするのも効果的です。
分析結果から見えた動きや傾向をもとに、目的の達成につながるアクションプランを立てます。その際には、施策内容だけでなく、成果目標や評価方法まで具体的に決めることが大切です。また、誰が何をするのかを明確にしておくと、実行に移しやすくなります。
取り組みの結果が、当初の目的にどれだけ近づいたかを効果検証することも欠かせません。期待した成果が出なかった場合は、その理由を探り、計画の立て直しを検討します。
なお、データ活用の成果は、すぐには表れないこともあります。データの質を見直しつつ、継続的に改善を進めることが重要です。
データをもとに業務を見直すことで、今まで気づかなかった無駄や問題点が見えてきます。正しいデータ活用は、作業の効率化や売上アップだけでなく、より的確な判断や行動にもつながっていきます。
データを活用すれば、業務の無駄を見つけやすくなります。例えば、過去の売上や在庫のデータから仕入れ数を予想できれば、余分な在庫や人員の配置を減らせます。
製造や購買に関するデータを詳しく分析することで、どこに無駄な支出が生じているのかを把握しやすくなります。コストがかかっている部署や非効率な作業の流れを見つければ、適切な対策を実施可能です。
また、業務ごとの稼働状況をもとに適切な人員を確保すれば、人件費の最適化にもつながります。工程ごとの作業データやミスの発生記録をもとに問題の原因を洗い出すことで、品質改善に向けた具体的な取り組みが可能です。
データ活用によって、自社の事業状況や直面している課題を、数字や事実として客観的に見られるようになります。例えば、販売が伸びない原因や、作業の遅れを誘引する業務プロセスを具体的に把握できます。
このような情報をもとに、これまでの施策を見直したり、新たな戦略を立てたりすることで、より効果的な改善が可能です。
データをもとに顧客のニーズや興味、購買の傾向を詳しく読み取ることで、必要とされるタイミングや相性の良い商品を見極めやすくなります。
また、アプローチの対象や手法を的確に選べるようになれば、営業効率が上がり、売上の増加も期待できます。さらに、過去の導入事例や成果の数値を示せば、提案に信頼性が生まれ、相手の納得を得やすいのもポイントです。
ビジネスの現場でデータを活用するには、どのような情報を扱うかを見極めることが重要です。
国や自治体が公開するオープンデータ、業務で日々蓄積する企業データ、さらには個人に関わる多様なパーソナルデータまで、活用できる範囲は異なります。
国や自治体、企業などが保有するデータの中には、インターネット経由で誰でも自由に閲覧・利用できるように公開されているものがあります。気象や交通情報、人口統計など多岐にわたり、データの二次利用が可能なため、幅広い分野で活用が進んでいます。
製造現場などで稼働するIoT機器から収集される「M2M(Machine to Machine)データ」は、設備の状態や作業の進行状況などをリアルタイムで把握できます。また、職人の勘や経験に基づいていたナレッジを数値化する「暗黙知データ」の活用も注目されています。
個人に関係するデータの中には、氏名や住所といった基本情報だけでなく、行動パターンや購買傾向、移動履歴などが含まれます。集められた情報の中には、個人を特定できないよう加工されたものもあり、マーケティングなどに活用されています。
作業の効率化や属人化の解消に役立つ手がかりです。
データ活用は乗り越えるべき課題もあります。特に、導入段階では知識の習得や、初期対応の負担が発生しやすいため、事前に注意点を把握しておきましょう。
データ活用の際には、用いるデータの種類や特徴の把握が欠かせません。課題解決に向けたビジネス的な視点や、統計・AIに関する知識、分析結果を実装・運用する力も求められます。
また、分析を進めるためには、ある程度のスキルや知識が不可欠です。なお、スキルに不安がある場合は、BIツールの導入も効果的です。
高度なデータ活用を実現するには、データの収集・処理・分析に対応したツールやシステムの導入が望ましいでしょう。しかし、システムの導入には、相応の費用が必要です。
初期導入時だけでなく、継続的な管理や保守にもコストと手間がかかるため、その効果が十分に見込めるかどうかを事前に見極めることが重要です。
データを活用する際は、選び方や扱い方によって結果が大きく変わることがあります。分析の目的に合わないデータを使えば、的外れな結論にたどり着く恐れがあり、常に正解が導き出せるわけでもありません。
偏りや例外的な数値が混ざっていないかを確認しながら、多角的に分析する姿勢が求められます。
個人情報や企業が保有するデータには、高い機密性が求められます。情報漏洩や不正利用を防ぐためには、データの暗号化やセキュリティソフトの使用、閲覧できる人を制限する仕組みなど、万全なセキュリティ対策を取ることが必要です。
自分の情報がどう扱われるかを気にする消費者は少なくありません。個人情報を適切に管理することは、消費者との信頼関係にも大きく関わります。
データを有効に活用するには、社内でスムーズに共有できる体制を整えることも欠かせません。専門知識を持つ人材の確保はもちろん、データ活用を進める専任チームの設置や、従業員1人ひとりのスキルを底上げする取り組みも必要です。
また、将来的な人材不足を見据えて、社内教育や採用面への工夫も重要視されています。
具体的なデータ活用方法がイメージしにくい場合は、実際にさまざまな業界で導入されている事例を参考にしてみましょう。ここでは、業界別のデータ活用事例を紹介します。
小売業界では、データに基づいた施策によって、効率的な販売戦略を立てることが可能です。各店舗の売れ筋や来店客の年齢・性別といった情報を用いて、売り場の構成や商品ラインナップを柔軟に見直す取り組みが進んでいます。
また、顧客ごとの購買傾向を分析することで、誰にどのクーポンを出すと反応がよいかをAIに判断させて、実際に購入者の数が伸びたケースもあります。
製造業では、製造ラインの予実績管理がされています。ラインの状態を常に把握し、トラブルや品質低下の原因を早い段階で見つける取り組みが広がっています。このようなデータを蓄積・分析することにより、品質管理や業務効率化が可能となります。さらには、将来の生産計画を立てることにも役立ちます。
例えば、消耗部品の交換タイミングの予測が可能です。事前に必要な補充を行えるようになり、故障による生産ストップを防止するだけでなく、製品の品質維持やアフターサービスの質の向上にもつながります。
金融業界では、ビックデータが日本の経済動向をつかむことに活用されています。データ活用によって顧客の行動パターンを細かく捉え、融資査定の精度向上やリスク管理の強化に役立てています。
また、スマートフォンの位置情報を活用すれば、消費傾向の把握がより現実に近い形で可能です。地域ごとの需要の分析にも応用されています。さらに、日本全体の経済動向をつかむための材料としてもデータが重要視され、投資の判断や新しいサービスの設計に生かされています。
データ活用を本格的に進める上では、単に情報を蓄積するだけでなく、活用のために使いやすく整え、長く引き継いでいける仕組みが求められます。
NXワンビシアーカイブズが提供する「WAN-RECORD Plus」はデータに属性情報を付与することができ、属性情報はExcelやcsv形式にて一括で出力することが可能です。その情報を他のツールに取り込むことで、分析に活用することができます。例えば、例えば事故資料なら年度や月、天気といった属性情報を付与し、その情報を取り込むことで、過去に多く発生した事故の特徴を分析し、時期・天気によって発生しやすい事故を分析した活用方法もあります。
他にも検索性に優れた一覧機能や、ルールを定着させる機能、紙資料との連携など、実務に準じた機能が充実しています。
データ活用の効率化に向けて、ぜひご利用ください。
執筆者名 ブログ担当者
株式会社NXワンビシアーカイブズ
ご不明な点やご要望などお気軽にご連絡ください。
ご不明な点やご要望などお気軽にご連絡ください。