オリックス銀行株式会社 様

書類受領から倉庫保管まで一気通貫。WAN-Flow、AI-OCR×BPOで書類処理業務を自動化

      要約

      オリックス銀行株式会社は預金口座開設・信託書類の処理業務にNXワンビシアーカイブズのWAN-FlowとAI-OCR×BPOを活用。

      人員削減と承認プロセスの高速化を実現し、年5%の生産性向上を5年連続達成した。

      事業内容

      オリックス銀行株式会社は、オリックスグループの一員として、無店舗型でインターネット取引を主軸とした銀行業務を展開。個人向けには投資用不動産ローンや高水準金利の定期預金(インターネット専用のeダイレクト預金、通販型のダイレクト預金)、信託商品、カードローン等を提供している。

      業務内容

      同行は、2021年10月からeダイレクト預金(郵送申し込み分)とダイレクト預金の口座開設書類、遺言代用信託書類の処理業務において、ほぼ全量の処理をNXワンビシアーカイブズに委託している。
      業務フローとして、まず申込者は本人確認書類・申込書等をNXワンビシアーカイブズの私書箱に送付する。
      書類を電子化してAI-OCR処理を実施し、WAN-Flow(イメージワークフローシステム)で承認プロセスを経た後、承認データがRPA連携により自動処理される仕組みだ。

      <導入サービスの紹介>

      ①WAN-Flow(https://www.wanbishi.co.jp/datasolution/service/digital/solution/image-workflow/

      申込、請求、稟議、報告、届出などの各種申請の承認、査定、決裁手続きを電子化することで、よりスムーズな処理を支援するWebアプリケーションです。業務工程を見える化することで、管理強化を実現します。

      ②AI-OCR×BPO(https://www.wanbishi.co.jp/ai-ocr/

      AI-OCR技術とBPOを組み合わせ、紙の帳票から業務に必要なテキスト情報を抽出。 手間がかかるシステムへの転記や、検索可能なファイル作成をまるごとアウトソーシングできます。

      導入の背景

      同行は2020年8月ごろに、既存の拠点分散体制を前提とした人員有効活用とリモートワークの浸透を目的に、オンラインで効率的な事務フローを構築する必要が高まった。

      ①業務の属人化と処理の集中

      各種申込書類等はオフィス内の執務室に直接到着。派遣社員78名体制で、封筒の開封・仕分け・内容確認までを実施。その後、NXワンビシアーカイブズの倉庫に書類を搬出していた。特に月曜日は週末の申込書類が集中して到着するため、開封作業だけでも大変な労力を要する。行内には手書きの書類が大量に存在し、紙を見ながらシステムに情報を転記する負荷も大きかった。さらに派遣社員の入れ替えに伴う採用・教育コストや、書類保管スペースの圧迫、書類搬出の準備・オペレーションも課題だった。

      ②リモートワーク対応の必要性

      2020年の新型コロナウイルス感染症拡大により、従業員の安全確保とペーパーレス化が急務となった。同行は拠点が複数に分かれており、書類処理業務のような特定のオフィスでしか対応できないタスクの存在が非効率だった。
      また口座開設時には取引時確認記録書を紙で起票し、確認者・権限者の押印が必要だった。月間の処理件数が膨大なため、相当な労力がかかっており、紙ベースの承認プロセスを見直し、ペーパーレスで処理をする抜本的な改革が求められていた。

      ③WAN-Flow、AI-OCR×BPO導入の決定

      改革にあたっては、まずは現状把握・業務フローの可視化から着手。他部署とも連携しながら、顧客からの不備対応など条件分岐が多い業務の洗い出しを実施し、
      「書類の電子化→AI-OCR処理→補正→承認→RPAによる自動処理」という一連の流れを効率化する統合的なソリューション導入という最適解を描いた。要件整理と業務仕様を設計し、2021年10月から業務を開始した。

      NXワンビシアーカイブズを選んだ理由

      同行は導入にあたり、複数の選択肢を比較検討。当初は自社で「スーパースキャナー(※)」を導入する案も検討したが、高額で設置場所も必要な上、結局出社する必要があり、業務の場所的な制約は解消されない。
      これに加え、電子化後のファイル名の付与作業など手間が発生するため、非現実的だと判断した。
      他社BPOサービスとも比較したが、「書類の電子化」と「倉庫保管」を別々で委託すると業務が分断される。結果として、一気通貫の対応が可能なNXワンビシアーカイブズを選んだ。
      この他、選定の決め手として、以下の点が挙げられる。

      ※スーパースキャナー:大量の書類を高速処理できる業務用スキャナー。導入コストが高額で設置スペースも必要となる。

      ①一気通貫で業務フローをカスタマイズ

      大きな決め手は「書類受領→電子化→AI-OCR処理→承認システム→倉庫保管」までの全工程を一括委託できること。これによりシームレスな運用が可能になる。
      また、業務フローに合わせた柔軟なカスタマイズが可能だった点も高く評価した。NXワンビシアーカイブズは「現状(AS-IS)」を「理想形(TO-BE)」に近づける過程で、様々な要望に対応。
      さらにWAN-Flowで承認されたデータを活用することで、ロボット(RPA)による自動処理を実現。紙を見ながら手入力していた顧客情報登録や口座開設処理を自動化できた。

      ②高度な機密情報管理体制、豊富な実績

      マイナンバー書類を特別区画で保管できる体制も魅力だった。他社に分散委託する必要がなく、セキュリティリスクを最小化できる。長年の信頼関係も安心感につながった。
      同行とNXワンビシアーカイブズの取引は2008年ごろからメディア保管・文書箱保管などで始まっており、2014年以降は融資契約書類や口座開設書類の電子化・保管を委託。
      金融機関との取引実績が豊富で、国立国会図書館の古書PDF化など高度な電子化技術の実績もあることも背中を押した。

      ③WAN-Flow(イメージワークフローシステム)でテレワーク・繁閑管理を実現

      WAN-Flowでは、書類PDFAI-OCRで読み取ったデータを一元管理できる。オンライン上での内容確認・承認が可能になり、承認履歴もシステム上に記録できるため、紙の記録書作成や担当者による証跡押印作業が不要になった。
      これにより場所を問わず作業できる環境が実現した。繁閑調整もしやすくなり、従業員の残業時間も削減できた。

      ④AI-OCRの運用ノウハウ

      行内には手書きの書類が大量に存在。単純にOCRツールを導入するだけでは読み取りが難しく、結局補正作業に人手が必要になる。そのため紙からデジタルへの高精度な変換を実現するAI-OCRが不可欠だった。また、データ化することで、後続のRPA連携も可能になる。
      一方、同行では過去に、AI-OCRを事務現場で試用したことがあったが使いこなすことができなかった。認識率の調整や読み取り箇所の設定が難しく、AI-OCRを使いこなすにはプロフェッショナルの知見が必要だと改めて実感した。

      導入後の社内の効果・感想

      導入後、定量的/定性的の両面で大きな効果が得られた。

      【定量的な効果】

      ①人員削減

      …導入後は人件費の大幅削減を実現。派遣社員の採用・教育にかかる時間と労力も削減された。

      ②生産性向上のKPI達成

      …2020年から取り組んでいる、「年5%の生産性向上」を5年連続で達成している。
       この時期に導入したWAN-FlowとAI-OCR×BPOは、目標達成に寄与した重要なツールだ。

      ③承認プロセスの高速化

      …手入力していた作業がRPAによる自動処理に変わり、処理スピードが格段に向上した。
       人の作業よりも早く処理できるようになり、オペレーションの速度が大幅にアップした。

      【定性的な効果】

      ①コロナ禍での働き方改革

      …コロナ禍でも従業員が安心して働ける環境を実現できた。
       リモートワークやハイブリッドワークに対応し、拠点を超えた業務分担が可能になったことで、繁忙期の残業集中を解消できた。

      ②業務リソースの最適配分

      …単純作業から解放され、人にしかできない業務(顧客対応など)に時間を割けるようになった。
       また、かつて書類保管に使っていたスペースは、休憩室(リフレッシュスペース)に転用。場所の問題も解消され、従業員のリフレッシュ環境も整備できたことは大きな副次的効果だった。

      ③業務品質の向上

      …AI-OCRによる読み取り精度は高く、補正作業も実施してもらえる。
       顧客から「書類到着確認」の問い合わせがあった際も、NXワンビシアーカイブズの情報管理センターに電話で確認でき、迅速に対応できる体制が整っている。

      ④サポート体制への評価

      …導入時はコロナ禍ということもあり、「双方ウェブ会議が初体験」という状況下だったが、試行錯誤しながら要件定義など完遂してくれた。
       情報管理センターの担当者の距離感も適切で、コミュニケーションも良好だ。

      今後の展望

      同行では現在、不動産登記簿謄本のチェック・電子化など、新たな業務への展開を検討している。
      生成AIなどの新技術とAI-OCRの組み合わせによる、さらなる業務革新にも期待を寄せる。

      特に注目しているのが、WAN-RECORD Plus(通称WARP)と、そこに搭載される生成AI機能だ。これからは新しいDX技術や生成AIが、どれだけ業務に活かせるのかが重要になる。

      現在のAI-OCRは、「書いてあるものを正確に読み取る・データ化する」というところに留まっている。しかしWARPの生成AI機能を活用すれば、AI-OCRでは困難な「読み取った文章の内容を理解した上での判定業務」も可能になる。これにより従来とは異なる次元の業務効率化も期待できる。

      同行が目指すのは、「紙とデジタルの区分けなく、即座にデータ活用できる世界」だ。媒体が何であれ、記載された情報を即座に活用できる環境こそが、人々の生活を豊かにする。
      その実現に向けて、NXワンビシアーカイブズとの協業をさらに深めていきたいと考えている。

      企業概要

      銀行業

      本社:東京都港区芝3-22-8
      設立:19938
      URL:https://www.orixbank.co.jp/

      取材協力:

      オリックス銀行株式会社
      ビジネスサポート部 主任
      中橋 紀恵 様

      ※役職はインタビュー当時

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