バックアップストレージとしての磁気テープの価値を再評価

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 まだ磁気テープでバックアップしているの?という主旨の記事やセミナーを目にすることが多くなってきました。確かに磁気テープでのバックアップ運用にはドライブの維持やテープ出し入れ、復旧の際はデータの読み出しなどの手間が伴い、担当者の頭を悩ませているという現実があります。オンラインバックアップやクラウド基盤のバックアップソリューションが普及してきていることも、背景として挙げられるでしょう。

 一方で磁気テープというメディアには大容量データが記録できてコストが安いという長所があり、バックアップストレージとしてのメリットをもたらす特徴も備えているので、まだまだ捨てたものではないと考えられます。そこで今回は、ややオンラインストレージやクラウドに押されつつある磁気テープについて、バックアップストレージとしての価値を見直していきます。

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磁気テープの特徴

 まずは磁気テープというメディアの特徴を紹介します。

 磁気テープの特徴として第一に挙げられるのは、記録容量が大きいことです。2018年7月現在で最新世代のテープであるLTO8の1本あたり容量は12TB(非圧縮)と、光ディスク等、他のメディアに比べても大容量データを記録することができます。そして技術開発によって1本220TBの大容量化を実現するロードマップも完成しています。

 大容量データを記録できるわりに、コストが安いことも磁気テープの利点です。先述の12TBの容量を持つLTO8は1本約25,000円~30,000円で購入でき、容量単価は2,000円~2,500円/TBになります。8TBのデータを記録できる外付HDDだと価格は約30,000円~50,000円であり、容量単価は3,750円/TB以上となります。データが大容量化している今の時代でも、効率的かつ安価にデータを管理できるメディアとして着目されているのが磁気テープというメディアです。(価格、容量単価はいずれも当社調べ)

 他にも、数十年に長期保存に耐える、改ざん防止の仕組みなどの特徴を備えています。

参考記事:磁気テープの寿命は30年? データ長期保存で起きる問題とは

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バックアップストレージとしての磁気テープの利点

 続いて磁気テープをバックアップストレージとして用いる場合の利点を紹介します。

 大容量データを記録できるため、バックアップデータが大容量でも問題なく扱えること。災害時のネットワーク障害や停電に際してもテープ搬送で復旧が可能になることについては、容易に想像できると存じますので詳しくは述べません。

 磁気テープを用いる固有の利点として挙げられるのが、バックアップデータをシステムから分断できることです。BCPのためのバックアップであれば、災害対策・DRは当然必要ですが、システム障害によるデータ消失やランサムウェア/マルウェア感染にも備えなければなりません。これらの脅威からデータを確実に守るためには、システムからの分断が必要です。

 別にテープでなくても大丈夫ではないか、と考える方もいらっしゃるかと存じますが、システム障害によってクラウドサービスのデータがバックアップも含めて消えてしまったケースは実際にあります。2012年に発生した国内クラウド事業者のシステム障害によるデータ消失や、2011年に発生した大手IT事業者が提供するフリーメールサービスのデータ消失が代表的な事例です。そして、2011年のフリーメールデータ消失は、磁気テープでのバックアップを行っていたため時間を要したものの復旧できた事例でもあります。

 磁気テープでのバックアップは古いという主張もありますが、より確実なデータ保護のためにはシステムから分断でき、最後の砦としてデータを残せるテープでのバックアップがやはり必要ではないでしょうか。

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磁気テープを活用しながらバックアップ運用を効率化する方法

 磁気テープでのバックアップが確実なデータ保護のために必要であることを述べてきましたが、磁気テープでのバックアップ運用には手間が伴い、復旧に時間を要するという弱点があることも事実です。そこでここからは、磁気テープで確実なデータ保護を行いながら運用の手間を抑え、迅速な復旧を可能とするバックアップ構成を紹介します。

構成例1

上記は、外部事業者が提供する遠隔地バックアップサービスの元でレプリケーションを行い、更に万全を期して磁気テープへのバックアップも行うという構成です。テープバックアップの運用を含めてアウトソーシングできるため、手間の問題を解決できます。小規模なシステム障害であればオンプレミスのバックアップストレージから復旧、災害でユーザ拠点が被災した場合には外部データセンターのリモートストレージをバックアップサイトに搬送して復旧、何らかの重大アクシデントでリモートストレージのバックアップデータまでが失われた場合には磁気テープをバックアップサイトに搬送して復旧させることができる、堅牢性の高いバックアップ構成です。

 以上で紹介した2つのバックアップ構成例は、別の記事(https://www.wanbishi.co.jp/blog/back-up-basic-principle.html)で解説した「3-2-1ルール」にも則った実効性の高い備えです。ご参考にしていただければ幸いです。

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まとめ

 今回はバックアップストレージとして磁気テープを用いる利点について、磁気テープの特徴やシステム障害によるデータ消失事例を元に紹介しました。磁気テープは大容量データに対応できるだけでなくシステムから分断できるため、DRだけでなくシステム障害やランサムウェア/マルウェア対策のバックアップストレージとして、非常に有用です。

 そしてワンビシアーカイブズでは、磁気テープでのバックアップを支援する「オフラインメディア保管サービス」、テープバックアップのオプションを備える「オンラインバックアップサービス」を提供しています。サービス紹介ページやパンフレットをご用意していますので、こちらもぜひご覧ください。

執筆者名プロフィール

執筆者名 ブログ担当者

株式会社NXワンビシアーカイブズ 

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