業務改善の提案書、どう書けばいい?

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こんにちは。自由にカスタマイズできる、新しいデータマネジメントシステム「WAN-RECORD Plus®」を提供するNXワンビシアーカイブズです。

日常的に行っている業務を改善していく活動は非常に大切なものです。その中で業務改善提案書は、組織内でのコミュニケーションや意思決定を助ける重要な立ち位置になります。
具体的な課題や改善案、計画、予算などを明確に示すことで、改善活動を効果的に進めるためのガイドとして重要になる業務改善提案書。今回はその提案書を作成する際の手順や役立つポイントを紹介していきます。

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業務改善提案書とは

「なにか業務改善できることがないか?」と考えた際、自分一人で出来ることなら考えた改善案をそのまま実践…となると思いますが、自分以外の協力が必要な改善の場合は、どのように変更するのか、また実際に変更していいのかなどの合意が必要になると思います。そうなると考えたアイデアを何か目に見える形でまとめる必要が出てきますよね。
その際に作成するのが提案書です。提案書とは、あるアイデアや計画、プロジェクト、商品、サービスなどを他者に提案するための文書です。提案書は、相手を説得し、興味を引き、協力を得るために作成されます。

つまり業務改善提案書とは、組織や企業内で行われている業務やプロセスの効率や品質を向上させるための提案をまとめた文書です。こちらを関係各所で共有し、改善の必要性から実行合意を取り付けることで、効率的に業務改善に取り組むことができます。

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まずは業務改善案を決めよう

業務改善提案書を作成する前にまず、どの業務を、どのように改善するかを考えることが必要です。提案書を書くのは「自分の考える業務改善案」を伝えるためですから、まずは提案書を書くためのWordを閉じて、提案する業務改善案を考えることから始めてみましょう。

業務改善案を作成する際の一般的な手順を紹介していきます。

業務の可視化をしていく

まずは業務の視える化から始めましょう。現状どのような業務を行っているのか、そのプロセスについても客観的にわかるように可視化していきましょう。

ここでの業務とは、インプットとアウトプットの単位をひとつの「業務」として捉えていくと良いと考えられています。それ以降は作業として捉える考え方です。
作業内容をあまりに細かく「業務」として捉えすぎると、どのプロジェクトに関係していることなのか、何に影響しているのかが捉えづらくなります。
また大まかに捉えすぎても改善するポイントを捉えることが難しくなってしまいますので、インプットとアウトプット単位で「業務」を捉えていくことが、業務改善を行う上では適当だと考えられます。

現状を定量化する

業務を一覧化すると、その時点で課題感がある程度見えてくることがあります。しかしどの業務を改善していくのが良いのかを判断するのが難しいと思います。
そのため現状行っている業務がどの程度の頻度で発生する業務なのか、どの程度の作業時間がかかるのか、コストが掛かるのか、納品までのリードタイムなどを定量的に把握していきましょう。

定量化するためには実際の作業担当者からヒアリングしたり、実態調査を行ったりと大変な作業になりますが、現状を定量的に捉えることで解決した際のメリットや効果を捉えやすくなります。
また今回活用しなくても、あらゆる業務で現状を把握したいと思うタイミングは発生します。これを機に頑張って調査していきましょう。

業務の視える化方法についてはこちらのブログで詳しく説明していますので、ご興味がありましたらこちらもご覧ください。

課題を特定する

現状の業務とその定量データから、課題の優先順位をつけて今回改善する業務を特定していきましょう。
課題決定には組織や企業の現状と照らし合わせて行くことがお勧めです。例えば慢性的に人員不足である組織であれば、複数人で行っている作業や作業頻度が高い業務を改善することで効果を感じやすいです。リードタイムに課題がある場合は作業時間やリードタイムがかかる作業の優先順位をあげて課題化していくといいでしょう。

目標と改善案を決める

課題を特定したら、どのような改善を行い、どのような状態にするかの目標設定をしていきましょう。
どのような改善を行うかについてはECRS(イクルス)というフレームワークの活用をお勧めしています。

ECRS(イクルス)は、簡単に言えば「無駄な業務は排除する→排除できなければ類似した業務をまとめる→まとめられなければ業務の順序や作業手順を組み替える→組み替えが無理なら簡素化する」という流れで業務を改善していく方法です。
詳しくはこちらで解説をしていますので、ご興味がありましたら是非ご覧ください。

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提案書にまとめる手順

業務改善の提案書例

提案書は実際に作成する際、提案内容や組織のニーズ・フォーマットに合わせてカスタマイズする必要があると思います。一般的な提案書の要素を参考としてご紹介します。

提案書のタイトルと概要

まずは提案書を一目見て、「どの業務をどうやって改善していくのか」の提案がすぐに分かるように、タイトルと全体概要を記載しましょう。
こちらは長文で記載するのではなく、すっきりとまとめましょう。概要は大まかな内容が理解できれば問題ありません。まずは分かりやすく全体感を掴めるようなタイトルと全体概要を記載しましょう。

現状の業務

次に今回改善する業務が、現在どのような状況なのかを記載していきましょう。現状を記載することでこの後記載する改善策がイメージしやすくなるためです。時系列で説明したリ、フローチャートを作成したりするとイメージしやすくなると思います。

また対応人数や対応工数などの実数も入れられる場合は記載していきましょう。特に課題感となる数字がある場合は積極的に記載しましょう。

問題点と原因

現状の業務内容を説明したら、次はその業務の問題点を明示しましょう。この問題解決が必要である、と読み手に認識させるためにも、定性的な問題だけではなく、定量的に問題視することが望ましいと思います。

もちろん定性的な問題も解決すべき事柄ではありますが、定量的に表現した方が、課題感が伝わりやすいです。例えばただ「従業員の離職率を改善するために、○○部で行っている××業務が大変と担当者が言っているので改善していきたい」という問題定義よりも、「従業員の離職率を改善するために、特に離職率が全社離職率より高い○○部署の改善を行いたい。○○部署の日常業務のうち、6割を占めている××という業務が従業員の負担となっている」と説明された方が、取り組む必要性も分かりやすいですよね。
数字で問題のある場所だけを優先して改善した方が良いというわけではありませんが、定性的な課題であっても、積極的に数的エビデンスを活用していくように心がけましょう。

業務改善の提案

問題点を明確にした後に、その解決策として業務改善提案を行っていきましょう。ここに記載された改善案が、先に書いた問題点をどのように改善できるのかが分かりやすくなっているとより良いと思います。
提案内容は全体感が分かるよう、何をどのように改善していくのかを記載していきましょう。ただし具体性は必要です。ただこの業務を変える、と書くのではなく、ECRSでまとめたように、どの作業を排除するのか、どの業務をまとめるのか、その業務の順序や作業手順を組み替えるのか、どのように簡素化するのかを記載していきましょう。

期待できる効果

上記の改善案を行ったことで得られるメリットを記載していきます。問題点がどのように改善されるのか、仮説から予想できる期待値を記載していきましょう。
あくまで予測としてでも、改善できる具体的な数字を算出することは難しいと思いますが、ここが最大の説得の場です。従業員の目線だけでなく、会社としてもメリットがあるということを存分に説明するためにも、ここで具体的な数値やデータを盛り込んで効果を訴えていきましょう。

想定されるリスクと対策

改善を行うことは決してメリットだけがあるわけではありません。今まで行っていた業務をやめたり、新しいことを取り入れたりすることは、何かしらのリスクがあるものです。時にはそのリスクは改善活動への反証となる場合も。
提案を推進する際にはそれらを事前に検討して、許容できる、もしくは対応策があるものであると説明していくことが大切です。

寧ろこの時点で許容できないリスクがある場合は、改善策の見直しが必要だと思います。業務改善とは、それを通して品質向上や効率化を実現することです。提案内容がそれらを阻害してしまう恐れがあるのでしたら、再考が必要だと考えられます。

コストとスケジュール

改善提案を推進するために、より具体的な改善活動のスケジュールや必要なコストを記載していきます。スケジュールはある程度余裕を持たせながら、いつまでになにを行うのかを記載していきましょう。

またコストについては何か新しいシステムの導入費用などだけでなく、想定される研修時間やトレーニング費用なども記載していきましょう。実際に支払う費用だけでなく、どれほどの人的リソースが必要になるかも記載しておくことで、関係各所への協力を仰ぎやすくなります。
今後改善活動を続ける上で、実際に支払う費用だけでなく、どの程度リソースが必要になりそうなのかという考えは非常に参考になります。今後のためにも是非記載しておきましょう。

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提案書作成で大切なポイント

提案書に盛り込む内容とそのポイントは説明しましたが、こちらでは提案書を書く際、全体的に大切なポイントを3つご紹介します。

客観的にわかりやすく記載する

業務改善の提案書で大切なポイント①

これは業務改善の提案書だからではなく、提案書全般に言えることです。提案書のゴールはあくまで合意を取り付けることですから、主観的な意見だけでなく、客観的に見てわかりやすいものでないといけないと思います。

客観性を高める方法で一番かんたんなことは「数字で表す」ことです。数字は過去の実績から積み重なる情報のため、主観的な思惑が表れにくいものになります。そのため業務内容や問題点を数字で表現するようにと上記でも説明させていただきました。
また数字で表現するだけでなくわかりやすい言葉で説明する、図表などを活用して理解をしやすくするなども心がけていきましょう。
これを意識することにより、客観的でわかりやすい提案書にぐっと近づけると思います。

具体的な内容を記載する

業務改善の提案書で大切なポイント②

現在の業務から業務改善の提案内容内でも記載しましたが、具体的な内容を記載していきましょう。上述したわかりやすい内容にも含まれることですが、具体的に記載することで読み手の理解が深まると共に、認識のずれが発生しにくくなります。

例えば改善提案を「××業務で行っている承認業務を簡略化する」と説明した場合、どこの時点で発生する承認業務がどう簡略化されるのか、読み手によって齟齬が発生してしまう恐れがあります。その齟齬が後に大きな問題を引き起こすかもしれません。
このようなことを起こさないためにも、具体的に「××業務で行っている部門長と課長、作業リーダーによる作業前承認のうち、部門長と課長の承認を不要として、作業リーダーの承認のみで作業に取り掛かれるようにする」と言ったように具体的に記載していきましょう。

提案書を読む人を意識する

業務改善の提案書で大切なポイント③

こちらも提案書全般にいえることではありますが、読み手を意識することが何よりも大切です。

今まで記載した内容の根幹は「改善内容を読み手に理解させて、合意を得るため」です。その読み手がどのような立場で、どのようなバックボーンを持っているかによって、説明する内容が変わってきます。
例えば所属部署の部長に提案するのでしたら、現在の業務内容の説明をより詳細に、改善したい業務に特化した説明でも問題ないかもしれません。
しかし役員や経営層などへの説明となってくると、そもそもその業務はどのような生産をしている業務なのか、今回の提案はその業務プロセスのうちどのフェーズの改善なのかなどの全体理解から始めなければならないかもしれません。
また経営層から出てくるリスク懸念などの対策も考えて提案書を作成しなければならないでしょう。

読み手が理解する、合意するのに必要な情報を取捨選択するためにも、だれが読むのか、だれに提案するのかを十分に理解してから提案書を書き始めましょう。

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まとめ

現在DX推進やリモートワーク推進などが加速し、より一層、部署を横断した業務改善が求められてきていると思います。
自分だけ、自部署だけの改善であれば簡単に進められた業務改善は、部署横断や全社に影響する改善提案に変わり、提案書を求められることも増えてきたのではないでしょうか?

改善提案が上手く推進できなかった理由の一つに「会社(上層部)のサポート不足」が挙げられることがあります。
裏を返せば、業務改善を成功させるために会社の理解を求めて、それを取り付ければ改善活動は上手くいく可能性が上がるということです。
必要性と急務性を感じてもらうために、本記事を参考に相手が読みやすい提案書を作成していきましょう。

もし「改善していきたいけれど、どの作業を改善すればいいのかわからない」といったお悩みがありましたら是非NXワンビシアーカイブズにご相談ください。
私たちは創業以来お客様の情報資産の活用支援を行ってきました。特にリモートワークやDX推進の障害となりやすい紙を使った業務のデジタル化について、お客様のよきパートナーとしてサポートさせていただきます。
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