
こんにちは。自由にカスタマイズできる、新しいデータマネジメントシステム「WAN-RECORD Plus®」を提供するNXワンビシアーカイブズです。
現在のビジネス環境では、企業は国際競争力を高めながら成長性を維持するために、生産性を向上させることは必要な取り組みです。ですが、企業の競争力を高める動きとして「 業務効率化 」という概念もしばしば取り上げられることもあり、「 生産性向上 」と「 業務効率化 」は同じ意味に捉えられてしまうこともありますが、それぞれ異なる概念です。
生産性を向上させる方法について解説していきますので、業務効率化との違いを整理していきましょう。
生産性とは産出する成果物(output)/投入した資源(input)の関係を示す指標のことです。ヨーロッパ生産性本部では生産性について「生産性とは、生産諸要素の有効利用の度合いである」としています。
つまり生産性向上とは、与えられた資源(労働力、資本、技術など)を最大限に活用して、より多くの価値や成果を生み出すことを指します。時には企業の利益に直結する取り組みでもあるため、企業課題として重要視されることも。
実際に生産性を向上させるには、効率的な作業方法の習得やプロセスの採用、最新のテクノロジー技術の導入、リソースの最適化などによって実現されることが基本的です。
生産性を測定するための成果物に2つの種類があります。一つは生産する物的な数量で測定する物的生産性。もう一つは付加価値で測定する付加価値生産性です。付加価値とは、企業が生産活動のなかで新たに産出した価値のことです。主に売上高から原材料費などを差し引いたものを指します。
この付加価値を算出する方法は売上高から原材料などを差し引く控除法と、人件費や営業利益を積み上げていく積上法の2つの算出方法があります。
また、資源についてはそれぞれの生産要素の視点によって3つの種類に分けられます。労働の視点から見る労働生産性、資本の視点から見る資本生産性と投入した資源すべてに対してどれくらい産出されたかを示す全要素生産性です。
それではそれぞれについてもう少し詳細に説明していきます。
労働生産性とは、労働力を用いて得られる生産物やサービスの量を表す指標です。具体的には、労働者一人あたりの生産量や出力を計測します。労働投入量とは実際に働く労働者数や労働時間のことです。
この労働生産性が高い場合は、投入された労働力が効率的に利用されていると言えます。
労働生産性は下記計算式で算出することができます。
物的労働生産性= 生産量(額)÷ 労働投入量(労働者数や労働時間)
or
付加価値労働生産性 = 付加価値額 ÷ 労働投入量(労働者数や労働時間)
資本生産性は、経済活動において使われる機械、設備、技術などの固定資産の投入に対しての効果的な活用度を示す指標です。保有資本がどれだけ利益に影響を及ぼしているのかを表す指標になります。
資本生産性は下記計算式で算出することができます。
資本生産性 = 付加価値額 ÷ 有形固定資産
全要素生産性は、労働力と資本の両方を活用して生み出される成果物やサービスを測る指標です。これは、労働と資本以外の要因(技術革新、組織の改善など)がどれだけ成果に影響を与えるかを表しています。
全要素生産性(TFP)の伸びから、資本投入でも労働投入でも説明できない部分の変化を発見することができ、技術進歩やイノベーションになどによる効果があったと言える指標になります。
全要素生産性は下記計算式で算出することができます。
全要素生産性 = 生産量 ÷ 全要素投入量
出典:公益財団法人日本生産性本部 生産性とは
生産性向上の主な目的は、同じ資源を使ってより多くの生産物やサービスを生み出し、組織や経済全体の効率と競争力を高めることです。
現在日本では主要各国的に見て労働生産性が低いとされています。OECD加盟国の労働生産性では2021年時点で38か国中29位という結果になっています。
出典:公益財団法人日本生産性本部 労働生産性の国際比較2022付表(データ一覧)より
そして日本では少子高齢化に伴う労働人口の減少が危惧されています。現状や今後の国力を維持、向上させるために、これまで以上の生産性を高めることが求められているのです。
まず、業務効率化とはプロセスやタスクをよりスムーズに、効果的に行うために、不必要な手間や浪費を削減する取り組みです。つまり今まで活用していた資源を削減する取り組みになります。
対して生産性の向上とは与えられた資源でより多くの成果物を生み出すことを目指す概念であり、業務効率化の一環ではあります。
生産性を向上させる方法は業務効率化によって活用する資源を少なくさせるだけではなく、成果物の量を増やすということもできます。
つまり生産性を向上させるということは資源を活用してより効率的に成果物を算出することであり、業務効率化とはより少ない資源で効率的に運用することという違いがあります。
上述したように、生産性を向上させる方法は成果物を増やすか、投入する資源を減らすかです。つまり、同じ作業やプロセスを行っているときに、より多くの成果物を得ることができる状態を目指すことになります。
生産性を向上させる方法は様々な手段がありますが、それぞれの特徴を踏まえて、自社の状況などから方法を選択していくことが望ましいと思います。
業務改善とは既存の業務プロセスや作業フローを見直し、無駄な工程や遅延を削減することです。業務改善を行うことでより少ない資源で変わらない成果を産出できるとして、生産性を向上させる際に取られる手段の一つです。
業務プロセスのデジタル化や定型業務の自動化をすることで、労力と時間を節約し、エラー発生の可能性も減少させることができます。投入する資源を減少させつつ、成果物の量も増やすことができるとして、生産性向上のために導入することも方法の一つです。
従業員のスキルや能力向上を図るための継続的なトレーニングや教育プログラムを提供することで、今までよりも多くの成果物を産出することができます。また従業員が高度な知識や専門スキルを保有できれば、より価値ある仕事に貢献できる可能性があります。
リモートワークやフレックスタイムなどの柔軟な働き方を導入することで、従業員が最適な状態で働けるようになります。従業員が働きやすいということはパフォーマンスが最大化しやすいこともありますが、高い成果を出す社員に長く活躍してもらいやすい環境にもなるため、成果物量の増加に期待ができます。
実際に生産性が向上した実例については、現在様々な団体が発表を行っていますので、そちらを紹介させていただきます。
まず働き方改革を推進している厚生労働省で発表している事例を紹介します。こちらでは専門家のアドバイスによって生産性を向上させた事例、「業務改善助成金」を活用して生産性を向上させた事例など、様々な業種の事例が掲載されております。
生産性向上の好事例(厚生労働省山形労働局)
公益財団法人日本生産性本部では、様々な企業の競争力および生産性に関連する取り組みや経営戦略、経営指標上の特色などを簡潔にまとめた「企業分析レポート」を作成し、公開しています。
こちらのレポートはPDFで無料配布されております。
企業分析レポート(公益財団法人日本生産性本部)
生産性を向上させるための手段を選ぶ際は、今の企業の現状から成果物を増やす手段を選ぶか、資源を削減するかを選択していくかと思います。ですが実際はどの業務でどれくらい生産性を向上させられるかが分からず、悩むことも多いと思います。
もし紙にまつわる業務の効率化、生産性向上をご検討の場合はNXワンビシアーカイブズのBPOソリューションを是非ご検討ください。
紙を活用していた業務をデジタル化によって効率化しようとしても、過去の紙書類と新規のデジタル運用が混在して負担が増加するといった課題が新たに発生してしまうことも。
生産性を向上させるためのデジタル技術の活用には、紙と電子をうまく併存させた業務設計を行い、BPOなども活用した人員配置やリソース確保によって最適化することが重要であると考えております。
NXワンビシアーカイブズは創業以来お客様の紙文書やデジタルデータの保管を行い、そのお預かりした情報を有効活用するため手段を提案してきました。私たちは安全に情報管理を行い、活用する方法を、お客様目線でご提案いたします。
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執筆者名 ブログ担当者
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