業務改善とは?目的設定と効果的な進め方をご紹介

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※こちらは2018年11月に公開したブログを2023年3月に再編集したものです。

"業務改善"という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?労働人口の減少や生産性向上のためなどから日々の業務を効率的に行うことが求められており、現在様々な企業が業務改善に取り組んでいるかと思います。
しかし、業務改善で実際に高い効果を感じている企業は、そう多くはないのではないでしょうか。その理由に、業務改善の目的、範囲、内容を明確に理解しないまま取り組んでいるケースが多く、目についたところ、対処しやすいところから着手しがちなことが、その要因の一つと言えます。
そこで今回は、「業務改善とは何か?」、を改めて考え、実際に取り組む方法について解説していきます。

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業務改善とは何か?

業務改善とは、生産性の向上や品質向上をするために現在の業務を見直していくことです。
業務改善と聞くと業務の無駄を減らすといった業務削減の印象が強くありますが、実際はより効率的に、短納期で、高い品質の業務を行うために業務フローを見直し、改善することを指します。実際に見直すこと無駄な作業が発見され削ることが多いために、業務改善=業務削減というイメージがつきやすいのだと感じています。

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業務改善の進め方

業務改善を行う上でまず大切なのは[何を目的とするか]です。この目的については起案部署や役職によって様変わりしますが、この目的が定まらないと何のためにどのような業務改善を行っていくかが定まらないため、非常に大切になります。

目的には例えばコスト削減、サービス品質の向上、労働環境の改善などがありますが、目的設定の方法から進め方までの5つの順序をご紹介していきます。

1. 可視化

まず必要なことは、"業務の視える化"です。業務改善を実施する上で大切なのが、現在どのような業務を行っているのかを棚卸しすることです。それぞれの部署やプロジェクトがどのような業務を行っているのか、客観的にも分かるようにすることが大切になります。
この業務を可視化することで既存の問題を洗い出すことができます。一体何が業務の妨げになっているのか、何を改善すればよいのか、これを可視化することができます。企業では問題が顕在化していないケースも多いので、業務プロセスを可視化することも欠かせません。
業務の視える化とは」について詳しくはこちらでぜひご覧ください。

2. 定量化

業務に関する問題を洗い出したとしても、課題が複数発見された場合すべてを一気に解決できる方法はありません。さらに、問題が多い場合はそのすべてに対処するまでに時間がかかり、その間も新しい問題が発生してしまう可能性があります。
そこで、解決すべき問題には優先順位を付けて業務改善を進めていく必要があります。解決した際のメリット、放置した場合の影響、解決までにかかるコストなど、すべての問題を定量的に捉えて、解決の優先順位を付けていきましょう。

3. 課題化

解決すべき問題と優先順位が決定したら、それを課題として目的や目標を明確にしていきます。目標はやはり数値と期間で表すのが基本です。例えば業務改善によるコスト削減効果を狙う場合、どれくらいの期間で、どれくらいの削減を狙うのかという最終目標が設定されない場合、どこまで改善すればいいのかが分からなくなってしまいます。
目標の数値は『2.定量化』で算出された定量データを基に考えていきましょう。

そこから目標とする状態から現状とのギャップを改善する方法を考え、達成に必要なタスクを洗い出していきます。実行するタスクによって業務改善の結果が異なるので、慎重に選ぶことが大切です。

4. 実践化

決定したタスクを実施していくわけですが、大切なのは計画通り進捗しているか、状況把握をしていくことです。 KPI(重要業績評価指標)を正しく設定し、最終目標に対する評価を行っていきましょう。『3.課題化』で設定した各タスクの完了率を管理していくことで、効率良く最終目標が達成できます。実行した結果どうなったかをしっかりと効果測定できる環境を整えておくことで、結果的に改善しやすくなります。

5. 定着化

各タスクが完了し、業務改善の最終目標を達成したら、その結果を評価します。場合によっては業務改善が逆効果を生むこともあるので、その場合は再び改善を加えてタスクを実行していきます。業務改善の結果が良ければ、それを定着させることで継続的に改善が続く状況を作ります。
これらのサイクルを繰り返していくことで、一つの業務改善が完了し、ビジネスに様々な効果をもたらします。

目的設定の注意点

業務改善の目的を設定する際、目先のコスト削減と決めつけないように注意しましょう。

業務改善を実施するにあたって、その目的が単なる"コスト削減"になっているケースは少なくありません。確かにコスト削減は企業にとって欠かすことのできない経営活動の一つです。しかし、業務改善とコスト削減を単純にイコールで繋げてしまうと問題が発生することもが少なくありません。

たとえば顧客に製品やサービスを提供するプロセスにおいて「これは無駄ではないか?」という業務を排除したとしましょう。それによって業務効率は上がるので、人件費の削減になったりします。ただしそれだけで業務改善を「成功」と評価してしまうのは非常に危険です。
「これは無駄ではないか?」と思って排除した業務が、実は競合他社にはない付加価値を生んでいたかもしれません。それを排除してしまったことで、顧客からの評価が下がり、今まで継続していた取引がストップし新規顧客が競合他社に流入してしまう可能性もあります。
この簡単な例からも読み取れるように、業務改善の目的を単純にコスト削減と決めてしまうことは非常に危険なのです。

では業務改善の目的とは何でしょうか?
人によって解釈は異なりますが、一つ共通して言えることは「既存業務のやり方を見直し、無駄を排除し、効率化することで、ビジネスに成果をもたらす」と言う点です。
いくらコスト削減につながったからといっても付加価値を失ってしまっては元も子もありません。それならば、単に業務を削減するのではなく、やり方を変えたり、まとめたりすることで付加価値を大きくする方が、会社にとってよほど利益をもたらします。
そのため目的設定は慎重に考えていく必要があると思います。

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業務改善成功のポイント

上記の進め方の中で、業務改善を成功させるためのポイントについて紹介していきます。

状況把握の徹底

業務改善を成功させるための第一歩は現状把握を徹底することです。業務改善とはそもそも問題点あってのことなので、担当者は今ある問題を正確に把握しておく必要があります。
しかし残念なのは、多くの場合、問題点の把握をすることなく業務改善に取り組んでいることです。そうした場合のほとんどは取り組みに失敗するか、想定していた効果が得られないものです。
どんな業務があって、何が問題なのか?これを広範囲にわたって把握していきましょう。

問題点の分析

問題には必ず原因があります。その原因を把握していないといくら業務改善を実施していても、取り組みが的を射ることはないでしょう。問題点を分析する際は"なぜなぜ分析"を使用してみてください。
これは1つの問題点に対して「なぜ?」を何度か投げかけることで、根本的な原因を突き止めるための分析方法です。分析方法としては他にもたくさんあるので、さまざまなやり方を試しながら原因を突き止めていくとよいでしょう。
原因を知れば、取るべき施策が自然と出てきます。業務改善の現場ではよく「○○が悪い」や「××が遅い」といった浅い原因を元に取り組みを進めていくケースが多いので注意しましょう。

改善計画を立てる

場当たり的で無計画に進めた業務改善は必ず失敗します。一見して成功したように思えても、どこかに問題が発生したりするものです。やはり計画性をもって業務改善を進めなければなりません。改善計画を立てる際は問題の優先度に従い、適切な施策を計画していきましょう。

効果測定できる状況を作る

業務改善を実行する上で大切なことは、実行した結果どうなったかをしっかりと効果測定できる環境を整えることです。そのためにはやはり、あらかじめKPIを設定しておくことが大切です。効果測定ができなければ、業務改善を次のアクションに繋げていくことができません。

改善を繰り返す

業務改善は一度で終わるものではなく、継続的に繰り返していくものです。一度の業務改善で高い効果を得られるケースは非常に稀でしょう。多くの場合は改善を繰り返しながら徐々に効果を高めていきます。一度、改善に成功したからといって安心してはいけません。継続的に実施しないと、すぐ別の問題が発生してしまいます。

「業務改善は一日にして成らず」

場当たり的な施策では当然ながら失敗しますし、一度だけでの取り組みでは高い効果を得ることができません。何よりも継続していくことが大切です。

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業務改善と情報管理の関係

業務改善にはまず現状の把握から始めていく必要があります。その現状を把握する上で必要な考えは、日ごろから情報管理されているかだと考えられます。

世界のデータ量は年々大きく増加しています。利用されるデータ量は、2025年には22年の約2倍の180ゼタ(ゼタは兆の10億倍)バイトに達するとの予測もあります。(日本経済新聞「データ量爆発、25年に2倍」より)現在DXを推進するにあたり、この増加し続けるデータをどのように活用するのか、情報管理していくのかがより重要になっていると思います。ではこの情報管理について何が問題なのか、デジタルのデータだけではなく、企業が日々作成する文書も対象に考えていきましょう。

管理対象となる情報が多すぎる

前述のように世界のデータ量は年々増加傾向にあります。これは企業にとっても同じで、情報の発生源と情報媒体が増えたことで、一企業が保有する情報量が従来に比べて圧倒的に多くなっているのです。そのため、情報を持っているだけで多くの問題が発生します。

情報管理のコスト、情報の保管場所、情報の更新管理など、これらが複雑化することで、企業の情報活用は進まなくなっていきます。

情報を見つける時間が長くなる

情報の保管管理が徹底できていない場合、目的の情報へたどり着くまでのプロセスが長くなることを意味します。そのため情報を見つけるまでの時間が長くなり、生産性を低下させることになります。

残業が多い社会人は年間数百時間も「情報探し」をしていると言われており、営業時間で換算すると多い人では1日の中で1時間近くも何かしらの情報を探すために時間を費やしている計算になります。

情報管理ができていないことに起因して、業務の全体の労働生産性が大きく低下してしまいます。個人単位でも年間に累積すると大きな時間となり、関係している社員数も加味すると企業単位では膨大な時間が失われていると言えます。

重要情報の損失になる

情報の保管管理が徹底されていないということは、重要情報がどこに保存されているか正しく把握できていないといことでもあります。そのため、誤って情報を削除したり紛失する可能性も高く、重要情報の損失につながります。

もしそれが個人情報に関連するデータだった場合は漏洩の可能性も考慮する必要があり、企業としては情報資産を失うだけでなく、信用を失う可能性にも繋がってしまいます。

情報漏えいに気がつきにくい

サイバー攻撃による情報漏えい事件が相次いでいる昨今ですが、情報管理が徹底されていない企業では攻撃に気がつきにくい傾向にあります。たとえばファイルサーバー内に見覚えのないファイルが存在しても、情報管理がなされていない環境だと削除しようと思っても誰かが必要としているかもしれないと、そのまま放置されてしまう可能性が高くなります。

情報管理のポリシーには、不要なファイルの削除はもとより、重要情報の暗号化や保管セグメントの指定など、情報漏えい対策も意識した運用ポリシーが定められていることが望まれます。
このように、ざっと挙げただけでも情報管理が徹底されていないことで企業が受ける影響は大きく、問題の規模も計り知れません。

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業務改善に大切な考え

「働き方改革」や「2025年の壁」などから業務改善への意識はどんどんと高まっていると感じています。当社でも様々なお客様から既存業務の見直しの相談をいただきます。

上記で説明したように、現状の業務を洗い出し、問題点を発見して目的を設定して改善していく・・・この流れを徹底していくことで業務改善に繋がりますが、その基盤となるのが情報管理です。日頃から徹底されているといざ業務改善をする際に、課題発見までスムーズに進めることができると思います。
また情報管理がされている状況では効果の高い業務改善に繋がります。

当社では情報管理から活用までをトータルで支援するソリューションを展開しております。もしご興味がありましたらお気軽にお声がけください。

執筆者名プロフィール

執筆者名 ブログ担当者

株式会社NXワンビシアーカイブズ 

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